福井大が世界で初めて開発した子宮体がん画像診断法の仕組み

子宮体がんにかかった女性が、子宮を残せるか20121016_703809子宮
あるいは全摘出しなければならないかを
痛みのない画像診断法で検査し、

全摘出を免れた場合に黄体ホルモン療法の治療効果を画像で確認する方法が福井大学で開発されたそうです。
(2017年1月30日発表)

世界で初めてという子宮体がんの画像診断法とはどんな方法なのか知りたいと思い、調べてみました。

まずは子宮体がんについてです。

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◆子宮体がん(子宮内膜がん)とは

婦人科のがんで最も多いのは、子宮がんで、
子宮体がん(子宮内膜がん)と子宮頸がんとに分けられます。

❖子宮体がんの発生場所

子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、子宮の内側にある、
子宮内膜から発生するがんです。

一方子宮頸がんは、子宮頸部(入口)や頸管の上皮から発生するがんです。

まれに子宮の筋肉の層から子宮肉腫が発生しますが、これは、
子宮体がんではありません。

同じ子宮のがんであっても、子宮体がんと子宮頸がんは、
診断・治療・予後いずれに関しても異なることが多いです。

❖子宮体がんの症状

最もよくみられる症状は不正出血です。
特に、閉経後に少量ずつ長く続く出血がある場合は、早めに婦人科
を受診し、子宮体がんの検査を受ける必要があります。

子宮体がんの検査は難しいので、健康診断の子宮がんの検査は、
子宮頸がんのみの場合が多いので、注意が必要です。

子宮体がんの他の症状としては、おりもの、排尿痛や排尿困難、
性交時痛、骨盤領域の痛みなどの症状があります。

異常を感じたらできるだけ早く婦人科を受診しましょう。

❖子宮がんの統計値

子宮がんにかかる人は全体として年間約25,200人で、このうち

子宮体がんが約13,600人、子宮頸がんが約10,900人、どの部位か
不明な子宮がんが約700人となっています
(地域がん登録全国推計値2012年 上皮内がんを除く)。

子宮がんの死亡数は、全体として年間約6,400人で、このうち
子宮体がんが約2,200人、子宮頸がんが約2,900人、どの部位か不明な
子宮がんが約1,300人となっています(人口動態統計2014年)。

子宮体がんと診断される人は、40歳代から増加し、50歳から60歳代の
閉経前後で最も多くなっています。

食生活の欧米化などに伴い増加していると考えられています。

※子宮体がんは中高年に多く、子宮頸がんは感染症であることから
全年齢に広く分布していると思っていましたが、子宮体がんにかか
る人の方が多いのは驚きです。
それにも関わらず、死亡数は子宮頸がんの方が多いのも意外でした。

◆子宮体がんの原因

子宮体がんの原因は、

エストロゲンという女性ホルモンの刺激が長期間続くことが原因の
場合と、エストロゲンとは関係ない原因で発生する場合があります。

約8割はエストロゲンの長期的な刺激と関連しているとされています。

❖エストロゲン刺激を多くするリスク

肥満、閉経が遅い、出産経験がないなどの場合。

また、乳がんの治療でタモキシフェンという薬剤を投与されていたり
更年期障害の治療でエストロゲンの補充療法を受けていたりする場合も、
子宮体がんのリスクが高くなるとされています。

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◆福井大学が開発した子宮体がん画像診断法の仕組み

❖子宮を残せるか診断する仕組み

まず、超音波検査、内膜細胞診で子宮体がんが疑われる場合、
腰椎に麻酔をして、棒状の器具を使い子宮内膜から内膜組織
の検体を削り取って子宮体がんの確定診断をします。

次に、早期の子宮体がんは女性ホルモンの1つである
「エストロゲン」の受容体が多いことが分かっています。

エストロゲンの受容体は細胞の中でエストロゲンと結合して
細胞を増殖するものです。

そこでエストロゲンと同じ構造の放射性薬剤を腕に注射すると
がん細胞に付いている受容体と薬剤が結合するので、

陽電子放射断層撮影(PET)で撮影すれば、がん細胞と結合した
薬剤が光るため受容体の量が分かります。

エストロゲン受容体が多いと早期がんと診断され、子宮を摘出せずに
黄体ホルモン剤を投与する治療が選択されます。

黄体ホルモンはエストロゲンの量を減らしてがんの肥大化を抑える
働きがあります。

❖画像診断で黄体ホルモンの治療効果を診断する仕組み

子宮を残せるか診断する仕組みを活用して、エストロゲンと同じ
構造の放射性薬剤を腕に注射するとがん細胞に付いている受容体と
薬剤が結合して光るので、エストロゲン受容体の数が分かります。

光らなくなると受容体が働かなくなったことで治療効果があった
ことになるのだそうです。

◆画像診断のメリット

従来は、治療効果の判定には、少なくとも3回は約20センチの
棒状器具で子宮内膜を削り、組織を集めて確認する必要があり、

子宮を傷つけたり、血栓症になる可能性が高くなったりする問題
がありました。

また検査のために黄体ホルモンの薬を中断しなければならないこと
もありました。

画像診断の開発により、最初の子宮体がんの確定診断の時1回だ
け、内膜組織の検体を削りとれば良くなったので、患者の負担が
大幅に減りました。

これまで副作用も確認されていないそうです。

◆臨床試験結果

2012年に24歳で子宮体がんと診断された関西の女性は、この画像
診断法の臨床研究を実施、半年間黄体ホルモン療法を受け今月
(2017年1月)23日再発することもなく、女の子を無事出産。

「子どもが本当に欲しかった。がんと聞いたときはショックだった
けど、出産できてとてもうれしい」と喜びを語ったそうです。

本当に良かったですね。

研究チームの吉田好雄教授は「ホルモン療法が効果的ながんを識別し、
再発リスクを下げられる可能性もある。症例を増やし、保険適用
を目指したい」と話したとのこと。

◆まとめ

少子化が進む近頃、一人でも多くの赤ちゃんを産んでもらうために
子宮体がんの検査が、画像診断により痛みがなくなるのはとても
効果があると思われます。

この画像診断は外国では、乳がんの検査法として研究されている
そうですが、子宮体がんの検査に開発されたのは、日本の福井大が
世界で初めてとは、大変喜ばしいことです。

一日もはやく広まって欲しいものです。

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