パーキンソン病の初期症状に注意!治療法の最新情報
70歳以上の100人に一人が発症するといわれる
パーキンソン病ですが、ご近所にもパーキンソン病
の人がいて、寝たきりになって亡くなりました。
しかし、現在は治療法が進歩して、健康人と同様
に生活ができるようになったとのこと。
どのようになったのか、NHKの
「チョイス@病気になったとき」や「きょうの健康」
の放送をもとに、わかりやすくまとめました。
◆パーキンソン病とは
脳の中の「ドパミン」という神経伝達物質が作られなくなる
病気です。
❖ドパミンとは
ドパミンは運動の指令をする物質なので、減少すると
運動の調節がうまくいかなくなり、動作がゆっくりになったり、
動きがスムーズでなくなったりするのです。
❖パーキンソン病の初期症状
- 手や足がふるえる。
手の震えは、じっとしているとふるえ、動作をすると治る、
片方の手だけが震えるなどの特徴があります。 - .動作が遅い、少ない、歩き出しがむずかしい。
- .バランスがとりにくく、よく転ぶ。
- 筋肉がこわばり、腕や足を動かすとカクカクする。
パーキンソン病は老化のせいだと思いがちですが、このような
症状がみられたら、すぐに神経内科で診てもらいましょう。
初期症状はご自分で気づくのがむずかしいので、身近な人が
気をつけてあげることが大事です。
早期発見、早期治療で、病気の進行を遅らせることができるように
なりました。
スポンサードリンク
◆パーキンソン病の治療薬
パーキンソン病の主な薬には、
「L−ドパ」と「ドパミンアゴニスト」があります。
これらの薬によってドバミンを補うことで、運動症状が改善します。
手のふるえ」は薬が良く効いて、発症して2~3年は、ほとんど
治ったようになります。
うまく薬を組み合わせて、15年以上も自立した生活ができる
ようになりました。
❖「L−ドパ」とは
「L−ドパ」は脳内でドパミンに変化する薬です。その特徴は
- 効き目が強いが持続時間が短いので、
1日3回服用する必要がある。 - 長期に使用すると、ウェアリングオフや
ジスキネジアなどの副作用が生じることがある。ウェアリングオフ:薬の効果が早く切れてしまい
症状がおさえにくくなる作用
ジスキネジア:自分の意思に関係なく身体がクネクネする
(不随意運動)症状。 - 中等症から重症の人、高齢者に適している。
❖「ドパミンアゴニスト」とは
「ドパミンアゴニスト」はドパミンに似た物質で、
ドパミンの働きを補強します。その特徴は
- 効き目は弱いが、持続時間が長いので1日1回の服用でよい。
- .吐き気、眠気、幻覚などの副作用が起こることがある。
- 軽症者や若年者に適している。
❖パーキンソン病薬の最新情報
以前は、薬を早期から使うと、早く効かなくなる、進行しやすくなる
などといわれていましたが、最近の研究ではそれが誤りであることが
明らかになっています。
現在は、薬の治療を始めるのは早いほどよいと考えられています。
早期発見、早期治療すれば、病気の進行を緩やかにすることが
できることがわかりました。
薬は迷わず使うことが大切とのことです。
◆パーキンソン病の手術治療
薬の副作用であるウェアリングオフやジスキネジアが頻発し、
薬で抑えるのが難しい場合には「深部脳刺激療法」という
手術があります。
❖「深部脳刺激療法」とは
この手術は、脳の奥にある、運動を指令する場所に電極を
埋め込み、さらに胸の皮膚の下に埋め込む刺激発生装置から
弱い電流をながして脳を刺激するものです。
この刺激によって脳が働き症状を改善することができます。
❖「深部脳刺激療法」の特徴
- 50~60歳代の人には特に効果が大きく、
仕事などの活動の幅が広がる。 - 高齢者では、手術時に脳出血などの危険が高まるので
慎重に検討する必要がある。
❖パーキンソン病手術の最新情報
- iPS細胞を神経細胞に分化させて移植する研究が進んでいる。
- 数年のうちに臨床研究が始まる予定である。
- この方法は、脳内でドパミンを作る細胞を増やすので、
薬を超える効果と、薬の作用を助ける効果が期待される。
※iPS細胞は希望の星ですね。色々な病気を治すことが期待
されています。これからはiPS細胞の時代が来ることでしょう。
◆パーキンソン病のリハビリテーション
パーキンソン病の治療は薬と並行してリハビリを行うことは
とても重要です。
身体は動かさないとどんどん筋力が衰えます。
パーキンソン病の人は身体の動きが少なくなるので、特に
リハビリが必要なのです。
さらに、パーキンソン病によっては、声が小さくなったり
言葉がなかなか出なくなることがあるので話し言葉の
リハビリも重要です。
リハビリテーションも、できるだけ早く始めた方がよく、
病気のどの段階でも必要です。
❖運動のリハビリ
自分が思う以上に身体の動きは鈍くなりますので、意識して
運動する必要があります。
●リハビリ運動の仕方(ウォーキング)
- 意識して腕を大きく振り上げる。
- ひざを上にあげる。
- かかとから着地する。
- 歩幅を大きくして歩く。
- 「1・2、1・2」と声を出す。
- 毎日20~30分を目標に歩く。
パーキンソン病では歩幅や腕の振りが小さくなり、
前かがみになりやすく、つま先から着地して
転びやすくなります。
※したがって、腕を大きく振り、ひさを上にあげて、
かかとから着地して、歩幅を大きくして歩くのが
効果的なのですね。
1・2、1・2」と声を出すと、脳のリズム力が補われて
最初の第一歩が出やすくなるのだそうです。
●運動リハビリの最新情報
行進曲のようなリズムがはっきりした曲を聞いたり
音楽と一緒にメトロノームを鳴らして大幅に歩く練習
も効果的であることがわかりました。
❖話し言葉のリハビリ
パーキンソン病では口やのどの動きが障害されるため、
声が小さくなったり、言葉が出にくくなったりしますから
話し言葉のリハビリも重要です。
●話し言葉のリハビリ方法
- 本や新聞を大声で読む。
- 会話の機会を増やす。
- カラオケで大声で歌う。
やりすぎかと思うほど、できるだけ大きな声を出したり、
ゆっくり話すよう心がけると効果的です。
会話の機会を多くして、家族が大きな声でゆっくり話すように
すると、患者さんも自然に大きな声で話すようになります。
●話し言葉リハビリの最新情報
言語聴覚士が指導する専門的な言葉のリハビリで高い効果が実証
されています。関心のある方は医師に相談してみるとよいでしょう。
◆まとめ
パーキンソン病について、治療法や考え方が昔とは
だいぶ違っていることを知り、驚きました。
他の病気と同様に、早期発見、早期治療で、病気の進行を
かなり遅らせることができるようになったのですから
初期症状に注意して早期発見を心がけましょう。
特に高齢者はご家族が気ついてあげることが必要ですね。
最近のコメント