舌がつるつるするのは病気? 舌でできる健康チェック法と対策
あるとき、いつもと違って、舌がつるつる
すると何かの病気なんじゃないか、と不安に
なりますよね?
週刊朝日2017年8月11号に「舌」は健康の
バロメーター ツルツルは危険信号!?
という記事がありました。
舌がつるつるしたら、なぜ危険なのか、
それ以外にも、舌に現れる病気があるのか
調べてみました。
◆舌が身体の状態を知るバロメーターになる理由
●舌の表面は薄い粘膜でできているので、その下を流れる血管や
血液の状態がわかりやすい。
●舌の表面は新陳代謝が盛んで3日ぐらいで細胞が入れ替わるた
め、体調がすぐ反映する。
そのため、こまめにチェックすれば、日々の健康増進に役に立つ。
◆舌診の方法
❖舌診するときの条件を同じにする
同じ時間、同じ光の元で観察すること。
朝起きて、軽く口をゆすいだ後が最適な舌診時間です。
食後は、食べ物の影響を受けるので避けること。
❖チェックするポイント
舌の色や形、大きさ、厚さ、
舌の上に付着している「舌苔」(ぜったい)の色や形。
※「舌苔」(ぜったい)とは舌に付着する白いこけのようなもの。
舌の動き方や舌の裏側の血管の状態も確認する。
健康的な舌は淡いピンク色で、表面には白い舌苔がうっすら
ついています。健康な子どもの舌を思い浮かべて比較して
みて下さい。
◆舌の色と舌苔からの診断と対策
記事の題名にある、舌がつるつるするときから始めます。
❖舌がつるつるするとき
診断:舌の舌苔の一部がはがれている地図舌があったり、舌苔が
まったくなくてツルツルしている鏡面舌があるときは危険信号です。
体の抵抗力がかなり落ちていることが現れています。
舌がつるつるするだけでなく、赤くつるつるしている時は、
もっと危険信号です。
西洋医学では赤くてつるつるしている舌のことを 赤色平滑舌
(せきしょくへいかつぜつ)と言います。
舌がつるつるしているのは、舌乳頭(ぜつにゅうとう)と呼ばれる
舌の表面の小さな突起が萎縮(いしゅく)したからです。
また舌が赤いのは、舌乳頭の萎縮により、舌の皮ふが薄くなり
血管が透けてみえるようになったからです。
●赤色平滑舌の原因
赤色平滑舌の原因は、下記の病気の症状である可能性があります。
・鉄欠乏性貧血(鉄分の不足による)
・悪性貧血(ビタミンB12の欠乏による)
・ビタミンB複合体欠乏症
・シェーグレン症候群(唾液分泌減少などの自己免疫疾患)
対策:赤色平滑舌の原因の病気の可能性があるので、内科
を受診すること。
何もなければ、休養をとり、体力を回復することが大切です
❖舌の色が赤いだけのとき
診断:舌が赤いのは熱がこもっていることの現れです。
対策:飲酒、肉や揚げもの、辛いものの食べすぎを控え、
体に熱をこもらせないことが大事です。
❖舌の色が白いだけのとき
診断:上記の舌の色が赤い時とは逆に、白かったり、青白かった
りしたときは、血行が悪くて体が冷えている可能性が高いです。
対策:体を温める食べものを食べ、冷たい飲みものは控えめに。
冷房のきかせすぎにも注意することです。
❖白い舌苔がべったりついているとき
診断:白い舌苔がべったりついているときは、胃腸が弱り始めて
いる状態で、冷たいものや消化の悪い脂っこい食物を食べ過ぎて
いることが現れています。
対策:こういうときは肉やウナギなどのスタミナ食ではなく、
豆腐など栄養価が高く、かつ胃に優しい食事をとることです。
❖舌苔が黄色いとき
診断:黄色い舌苔は、体の抵抗力が落ちて胃腸の細菌バランス
がくずれている現れです。口臭もきついことが多いです。
白い舌苔よりも不調が長引いている現れです。
対策:まずは食事の量を減らして胃腸を休めるようにします。
運動や入浴で汗をかくなどで、体から老廃物を出すのも有効です。
❖舌が紫色のとき
舌の色が紫、あるいは濃い赤、表面がまだらに紫色になっている、
舌の裏側の血管が紫色で膨れている場合は
診断:全身の血流が悪くなっている「血瘀(けつお)タイプ」
であることが多く、高血圧の人や肝機能が悪い人、心臓病の人
によく見られるそうです。
※瘀血(おけつ)は停滞している血、血瘀(けつお)は
瘀血によっておこる病態のこと。
対策:血液ドロドロを改善する食材(タマネギやチンゲンサイ、
青魚、酢)などを積極的にとること。
❖舌の色が黒いとき
診断:舌や舌苔が黒い場合は、何らかの病気が進行しているか、
薬の影響で黒くなっている可能性があります。
対策:医療機関で西洋医学的な検査を受けてください。
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◆舌の形態からの診断と対策
❖舌の表面が割れたりひびが入っているとき
診断:表面が割れたりひびが入っている“裂紋舌”のときは、
体に水分が足りていない脱水状態の現れです。
または、水分や栄養の保持能力が低下している状態の
「陰虚タイプ」かもしれません。
陰虚タイプは高齢者に多く、水分や栄養をいくら入れても体が
吸収しにくいタイプです。
熱中症のときにこういう舌になることが多いと言われています。
対策:まず、水分を少量ずつ数回に分けてとるなどして、体に
水分を補うようにすることです。
そのうえで、魚やタコ、イカ、カキなどの魚介類、ヤマイモ、
アスパラガス、ホウレンソウなどで水分の保持能力を高めて
いくとよいです。
❖イチゴのようなブツブツがある時
診断:舌の先端がイチゴのようにブツブツしていたら、感染症
などにかかっている可能性があります。
対策:医療機関(内科など)で診てもらいましょう。
❖舌がいつもより厚くて大きいとき
診断:舌が厚くて大きいときは、体内に余分なアブラや水分が
たまった状態の「痰飲(たんいん)タイプが疑われます。
身体がむくんでいるサインで、高脂血症の人や胃腸が悪い人に
特徴的な舌だとされています。
対策:味の濃い料理や肉や揚げものなどの脂っこい料理は控えめ
にして、飲酒もほどほどにすること。
とうもろこしや、ウリ科のトウガンやキュウリなどがオススメ。
❖舌の側面にデコボコの歯の痕がつく
診断:舌の側面に歯の痕がつく“歯痕舌”になっているときは
水分過多で舌が膨らみ歯に当たるので、歯の痕がついてしまう
のです。
対策:冷たい飲みものやアルコールの飲みすぎを控えましょう。
❖舌に白い膨らみができたとき
診断:かたいできものが出来た場合は、舌癌の可能性があります。
白い場合が多いので、口内炎だと思う人が多く、発見が遅くなる
場合があるので気を付けて下さい。
口内炎は柔らかく、普通は数日から1週間ぐらいで自然に治り
ますが、ガンはどんどん悪化します。
対策:気づいたらすぐに病院(口腔外科など)で診てもらいま
しょう。
(参考文献:「舌」は健康のバロメーター ツルツルは危険信号!?
週刊朝日2017年8月11号 他。
舌診のお話は
帝国ホテルプラザ内にある漢方専門薬局「薬石花房 幸福薬局」
代表、幸井俊高さん(薬剤師、中医師)。
『舌をみれば病気がわかる』などの著書がある。
アマゾンはこちら>>ハンディ版 舌をみれば病気がわかる
舌苔のお話は
和光治療院・漢方薬局」(千葉市若葉区)代表を務める
平地治美さん(薬剤師)。
『舌を、見る、動かす、食べるで健康になる!』の著者。
アマゾンはこちら>>やさしい漢方の本・舌診入門 舌を、見る、動かす、食べるで 健康になる!
◆まとめ
主に東洋医学からみた、舌による健康チェックの仕方と、
問題点の対策を調べました。
東洋医学は病気の症状の背景にある体質を探って、養生や漢方薬
で改善させていく医療とのこと。
病気の芽になる『未病』の状態を見つけて、その段階から対策を
とることができるのだそうです。
筆者は子供の頃、虚弱体質で、西洋医学では良くならず、漢方
で良くなったことがよくありました。
最近も、花粉症から副鼻腔炎になり、西洋医学では少量の抗生
物質を長期にわたって投与して治すのが普通の治療法ですが、
過敏体質のせいか、私は抗生物質のためにお腹がぐるぐるして
気分が悪く、一行に副鼻腔炎も改善しませんでした。
このままでは腸内細菌がダメになると感じた私は、担当医に
相談して抗生物質をやめて、漢方薬に代えてもらいました。
驚いたことに、今まで一年近くもの間、抗生物質では治らなか
ったのに、お腹もすっきりして、副鼻腔炎も2か月程で
すっかり良くなったのです。
東洋医学の底力を改めて感じました。
現代の私たちは、東洋医学と西洋医学のそれぞれの良い所を
活用するべきですね。
東洋と西洋医学のどちらがご自分の身体に合うかは、人によ
って異なるようですが、
舌による健康チェックは、東洋医学の良いところだと思います。
鏡一つでできる健康法ですから、毎朝起きたときに、舌の状態
を診て、健康チェックをしてみることをお勧めします。
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