うがい薬イソジンの副作用!うがいは水道水だけの方が良い!追記あり

のどの殺菌・消毒や口腔内部の洗浄、消臭に効果的ということで、ugai_tearai.png うがい手洗い
うがい薬のイソジン(ポピドンヨード含有)は昔から広く使われていますが、
副作用のことはあまり知られていません。

それどころか、最近の研究で、風邪の予防にうがいは有効ですが、
イソジンでのうがいは無意味であること、 むしろ害があることが
わかりましたので、お知らせします。

さらに、大阪府知事が新型コロナ対策としてイソジンうがい薬など
ポビドンヨードが含まれたうがい薬を使用することを呼びかけた
ことや、妊娠中、授乳中の人などの使用上の注意についても追記します。

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◆イソジンの副作用

  1. 甲状腺の機能低下
  2. 歯が茶色に着色される
  3. 口内粘膜の損傷
  4. 正常細菌叢の破壊
  5. アナフィラキシーショック

ざっとあげても、これほどの副作用があります。 以下、ひとつずつ説明しますね。

1.甲状腺の機能低下

イソジンうがい薬は、有効成分がポビドンヨードであるため、ヨード(ヨウ素)が含まれています。
何回もうがいをしているうちに、粘膜からヨードが吸収されて、
イソジンを飲み込んでいなくても体内に取り込まれてしまいます。

健康体であれば、一時的にヨウ素を取り過ぎても排出されてしまうのですが、
長期にわたって、慢性的に過剰摂取すると、排出しきれずに健康に害を生じます。

日本人はコンプなどの海藻類や魚を多く食べるので、ヨードが不足することはほとんどなく、
むしろ過剰気味なのです。

それなのに、イソジンでうがいをすると、1日に3回うがいをするだけで、
1日の必要量の20倍に相当する、4mgのヨードが身体に吸収されるのだそうです。
危険ですね。

ヨードを過剰に摂取すると、甲状腺ホルモンを過剰に分泌するために、
甲状腺が発達しすぎて甲状腺肥大や甲状腺腫が生じ、
甲状腺機能低下症が引き起こされてしまいます。

また、ヨードを急速かつ過剰に摂取すると甲状腺肥大や甲状腺腫になる前に、
甲状腺ホルモン分泌の抑制効果が起こり、甲状腺機能低下になります。

●甲状腺機能低下の症状

「前頸部の腫れ」、「元気がない」、「疲れやすい」、「まぶた(眼瞼)が腫れぼったい」、「寒がり」、「体重増加」、「動作がおそい」、「いつも眠たい」、「物覚えが悪い」、「便秘」、 「かすれ声」 ※ 医薬品によっては、 甲状腺ホルモンの過剰な症状 1.脈が速い、 2.心臓がドキドキする、 3.体重減少、 4.手のふるえ、 5.汗をかき易い などに引き続いて、甲状腺機能低下症が起こる場合があります

出典 医薬品による甲状腺機能低下症/副作用で起きる甲状腺機能低下症。

このような症状が強く出ている場合には、医療機関を受診しましょう。

雑学:大豆にはヨウ素の過剰摂取による害を防ぐ働きがあり、
日本人は味噌・醤油・納豆・豆腐などで大豆を摂取するため、
ヨードの過剰摂取による中毒症を自然に防ぐことができていたようです。

追記:妊娠中、授乳中の人など使用上の注意

『ポビドンヨード』は胎盤を簡単に通過するため、うがい薬でも
注意が必要とされ、妊娠中の1日の耐用上限量は1日2mgとされています。

※2.厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)より

うがい薬を飲んだりすると簡単に2mgを超えてしまうので注意が必要です。
市販のうがい薬の中で、喉に吹きつけて飲み込むタイプのものは3~4回で
2mgを超えると思われます。

胎児や乳幼児に甲状腺機能低下症などの影響を与える恐れがあるので
妊娠中、授乳中の人は注意が必要です。 
うがい薬は使用しない方が良いと思われます。

2.歯が茶色に着色される

イソジンはすべての物を茶色にする力がありますね。
うがいをすると歯が茶色になって困ったことはありませんか。

歯医者さんを受診してクリーニングをしてもらえば、
数千円で歯石も取ってもらえますので、この副作用はたいしたことはありませんが、
余計な出費です。

3.粘膜の損傷

イソジンのうがい薬(イソジンガーグルなど)の注意書きに、
軽い刺激感と口内の荒れと書かれています。

イソジンには細胞毒性があるとされ、
粘膜を傷めることは医師の間では良く知られているそうです。

子供の頃、よくひざをケガしてイソジンで消毒されたとき、
しみて痛かったのは、粘膜が損傷されていたのですね。

イソジンが粘膜の細胞を損傷するために、
かえってウィルスの侵入を容易にしている可能性が指摘されています。

4.正常細菌叢の破壊

粘膜や皮膚には善玉菌が常在していて草むらのような叢(そう)を作り、
病原菌(またはウィルス)が付着しないようにして私たちを守っています。

しかし、イソジンは善玉菌まで殺してしまうので、風邪の予防どころか、
感染を促進する可能性があると考えられています。
 

5.アナフィラキシーショック

ヨードアレルギーがあることを知らないで、
アナフィラキシーショックになる人もいます。

アナフィラキシーショックの症状は

気持ちが悪い、吐き気、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、
じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、
血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
等があります。

※この様な症状が出た場合は、足を高くして寝かせ、
吐いてもいいように顔は横を向けて、すぐに救急車を呼びましょう。
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◆うがいの効用についての実験

京都大学保健管理センターの田村所長が、うがいの効用について行った面白い実験があります。

 「うがいをしない」「水道水でうがい」「ヨードでうがい」の3グループに分け、
風邪の発生率を調べたのです。

全国18地域で387人を対象に、2ヶ月間にわたって行ったところ意外な結果がでました。

「水道水でうがい」をしたグループは、「うがいをしない」グループと比較して、
風邪の発生率が40%も低く抑えられたのですが

「ヨードでうがい」をしたグループは、「うがいをしない」グループと変わりがなかったのです。
殺菌・消毒効果があるヨード(イソジン)でうがいをしても意味がないという驚きの結果です。

うがいをしないグループと同じだなんて、水道水でうがいをした方が風邪の発生率が低くて
風邪の予防になるなんてなんということでしょう。

お金かけて、副作用にあって馬鹿みたいです。  
ヨードでうがいの実験をしたグループは副作用が心配ですが、
2ヶ月だから大したことはなかったのでしょうね。

◆ 追記:大阪府知事の呼びかけに関して思うこと

大阪の吉村府知事が新型コロナ対策としてイソジンうがい薬など
の使用を呼びかけたことに関して思うことがあります。

1.今回の実験は、コロナウイルス陽性者がポピドンヨードで
うがいをしたら口の中のウィルスが減少したということで、
こんな実験やらなくてもわかることじゃないの?

イソジンなどに含まれるポピドンヨードは、ウィルスを殺す作用が
あるのはわかっていることですから。
まあ、コロナも殺菌されることがわかったということが
新発見なのかな?

 

2.うがいでウィルスが減るから、同居家族にうつさなくなるとのこと
ですが、うがい薬の効果は数時間ですから、数時間後にはまた
ウィルスは増えることになり、うつさない効果は限定的です。

うつさないためなら、数時間ごとにイソジンうがいをしなければならず
そんなにイソジンうがいをしたら、のどを痛めたり、他の副作用が
起きてしまいます。水でうがいする方が良いと思われます。

 

3.唾液でPCRの検査をする場合、検査の直前にイソジンうがいをすれば
陰性になることもあると思われます。
症状のない人が陰性になりたくて、直前にイソジンうがいをする
可能性もでるのでは?

今のところ、こんな疑問が湧きました。

これで、イソジンなどのポピドンヨードでうがいをする意味は
本当にあるのかと思いますが、さらなる研究結果を待ちましょう。

◆まとめ

うがい薬として広く使用されてきたイソジンの5つの副作用について説明しました。
そして、京都大学保健管理センターのうがいについての実験によって、

イソジンうがい薬は、うがいの効果がなく水道水のうがいの方が風邪の予防に 効果がある
ことが明らかになったことをお知らせしました。

イソジンにうがいの効果がないのは、副作用の3と4にあるように、
イソジンの細胞毒性により、粘膜を損傷させ、粘膜の善玉菌を殺傷して、
正常細菌叢を破壊するために、細菌やウィルスが付着しやすくなるためと思います。

ひょっとしたら、うがいをしないグループよりも、悪い結果になりかねません。

これからは、イソジンでうがいをするのはやめた方が良いと思われます。

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