便秘薬酸化マグネシウムの副作用で死亡例!注意すべき症状とは
今朝(2015年10月21日)のヤフーニュースに、
便秘薬などに使われている酸化マグネシウムで死亡例がでたので
厚生労働省が注意を喚起した、
という内容が書かれていました。
◆ニュースの引用
便秘などの治療に使われる「酸化マグネシウム製剤」を
のんだ後、血圧低下など高マグネシウム血症を起こして
死亡したとの報告が2012年4月以降4件あったと、
医薬品医療機器総合機構が20日、発表した。1件は因果関係が否定できないという。
厚生労働省は、特に報告の多かった高齢者の服用について、薬の添付文書で注意喚起するよう、医療用医薬品を製造・
販売する17会社などに指示した。
という記事を読み、
酸化マグネシウムは私が看護師として病院勤務していた時も、「カマ、カマ」と呼ばれ、大勢の患者さんに処方されていたことを思いだしました。
特に問題はなく、安全な薬だと思っていたので、少々驚き
ました。
しかし、酸化マグネシウム便秘薬を使う人は、年間約
4500万人もいることを考えると、3年間で否定できない
1件の死亡例は、薬の副作用としてはそれほど重大ではない
かも知れないと思いました。
私自身は、便秘をすることはほぼないのですが、
便秘でお困りの人は非常に多いのです。
厚生省が注意を喚起するのは当然のことで正しいことです。そして禁止すると言っているわけではありません。
年間4500万人もの人々が愛用している便秘薬ですから、
副作用に注意して飲めば良いのではないかと思いました。
そこで、どんなことに気を付けて飲むべきかをまとめる
ことにします。
◆副作用の高マグネシウム血症について
高マグネシウム血症とは、一般的には腎不全患者が、
マグネシウム製剤や食品を摂取している場合に発症する
ことがあり、血液中のマグネシウム濃度が3mg/dl以上で、
高マグネシウム血症と診断されます。
腎不全の患者さんは、うまくマグネシウムを排泄できないためマグネシウムが蓄積するのです。
高マグネシウム血症の心配な症状は、呼吸抑制、意識障害、不整脈で、最も致命的な症状は徐脈性不整脈による血圧低下です。
重症の場合には死亡することもあるため、マグネシウム含有製剤を腎不全患者へ投与することは原則禁止されています。
腎臓が正常な人にはまず発症しないと考えられている
ようです。
腎不全患者には投与されていないはずですから、あまり副作用はおきないと思われるのですが。
高齢者に副作用が多く報告されているのは、高齢者はすべての機能が低下しますから、知らないうちに腎臓の機能も衰えているのではないでしょうか。
◆高マグネシウム血症の初期症状
悪心(おしん) :吐(は)きそうな気分で、気持ちが悪いこと。
嘔吐(おうと) :胃の内容物を吐くこと。
口渇(こうかつ):口やのどがかわくこと。
血圧低下 :血圧が下がること。
徐脈 :心臓の脈拍が60/分以下になること。
皮膚紅潮 :ひふが赤味をおびること。
筋力低下 :筋肉の力が弱ること。
傾眠 :うとうとしていて、眠りそうな状態.。
これらの症状が現れた場合は、ただちにマグネシウム製剤
を中止して受診することが必要です。
長期にマグネシウム製剤を摂取する場合は、定期的に血清マグネシウム濃度を測定してもらうと安心ですね。
これらの初期症状の観察や、血清マグネシウム濃度の測定は、2008年9月に厚生労働省から医療関係者に実施が喚起されているのですが、まだ行き渡っていないのでしょうか。
◆医薬品医療機器総合機構とは
酸化マグネシウム死亡例を報告したのは、医薬品医療機器総合機構という私には見慣れない機構だったので、調べてみました。
するとなんと、医薬品について審査業務、安全対策業務、健康被害救済業務などを行っていた昔の「医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構」だったのです。
平成16年から厚生労働省所管の独立行政法人となって、医薬品医療機器総合機構に改変されたのだとわかりました。
知らなかったです。
医薬品医療機器総合機構は、長い名前で言いにくいため、
医薬品機構と省略されたり、英語名・Pharmaceuticals and Medical Devices Agencyの頭文字をとるとPMDAになることから、パンダという愛称で呼ばれているとのこと。
理念は、薬の副作用による健康被害救済業務など、
患者にとって希望の架け橋になることをめざしている
そうです。これからも頑張って欲しいですね。
◆まとめ
腎臓が悪い人は、マグネシウム製剤を使用しては
いけません。
腎臓に異常が無い人でも、特に高齢者は長期に服用する
場合は定期的にマグネシウム濃度の測定をしてもらうこと。
高マグネシウム血症の初期症状である、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)口渇(こうかつ)、血圧低下、徐脈、皮膚紅潮、筋力低下、傾眠
などの症状がでた時は、服用を中止して受診することです。
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