急性アルコール中毒の症状は?死亡させない応急処置法を知ろう
クリスマスから年末・年始にかけて、お酒を飲む
機会が増えるため、毎年急性アルコール中毒で
死亡する人が絶えません。
とくにまだお酒に慣れない20~30歳代の若者が
急性アルコール中毒になる事が多いと言います。
大切な人を、死亡させないために、急性アルコール
中毒の応急処置法を覚えておきましょう。
この記事の目次
◆急性アルコール中毒になる原因
短い時間で大量にお酒を飲むと、血中のアルコール濃度が一気
に上昇して、アルコールが脳に達し、アルコールが持つ毒性に
よって中毒症状が起きるのです。
人によって中毒になる量も症状も違いますが、ビール1缶でも
中毒になる人がいるそうです。
アルコールには脳を麻痺(まひ)させる毒性があるので、脳の中枢
部分が麻痺すると、心臓や呼吸を停止させてしまい、死亡すること
があるのです。
◆アルコールによって脳が麻痺する経過
アルコールによって、脳が麻痺(まひ)していく過程は、
ほろ酔い→酩酊(めいてい)→泥酔(でいすい)→昏睡(こんすい)
→死 と進みます。
お酒の一気飲みをすると、酔い(脳の麻痺)も一気に進み、泥酔
を通り越して昏睡へ進んでしまうこともあります。
❖ほろ酔いとは
脳の一番外側、大脳新皮質(だいのうしんひしつ)が麻痺する。
ほろ酔いの症状は、
おしゃべりになり、陽気になる。判断力が鈍る。
脈が早くなる。
❖酩酊(めいてい)とは
大脳新皮質の内側の大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)が麻痺する。
酩酊の症状は
記憶がとぎれ、何度も同じことを言ったりする。
頭痛や吐き気がする。
足がふらつき、バランス感覚が麻痺する。
ケンカなどのトラブルを起こす。
❖泥酔(でいすい)とは
大脳全体に麻痺が進み、脳幹(のうかん)と脊髄(せきずい)に
も麻痺が進み始める。
泥酔の症状は
ろれつが回らなくなる。
歩けない、立てないなどの運動失調がおこる。
意識がもうろうとしてくる。
激しく吐き、吐物で窒息(ちっそく)したりする。
❖昏睡(こんすい)とは
脳幹と脊髄がほとんど麻痺してしまう。
昏睡の症状は
いびきをかいて刺激に反応しない。
体が冷たくなり、口から泡を吐いている。
呼びかけにも反応がなく昏睡状態に陥ってしまう。
吐物が喉につまり、窒息(ちっそく)したりする。
心臓や呼吸が停止する。
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◆急性アルコール中毒の症状
急性アルコール中毒の症状とは
泥酔状態で、一過性に意識障害が生じ、おう吐、歩行困難、
血圧低下、寒気や低体温、呼吸数低下、動悸などが出る症状です。
さらに進むと昏睡状態に陥ります。
◆急性アルコール中毒の応急処置法は
上記のような急性アルコール中毒の症状がみられたら
次の順序で応急処置をしましょう。
❖意識がない場合
1.軽く肩をたたいて、耳元で名前を呼んだり、「大丈夫ですか」
と語りかけ、意識を確認する。
2.意識がない、大きないびきをかいている、口から泡をふいて
倒れている場合は、周りのだれかにすぐ救急車を呼んでもらいます。
3.救急車を待つ間、呼吸と脈を確認し、それらが止まってしまったら、
仰向けに寝かせて心臓マッサージを開始します。
最近は人工呼吸はしなくても、心臓マッサージだけで良いとされています。
近くにAED(自動体外式除細動器)があれば、持ってきてもらい装着します。
4.衣服をゆるめ、低体温症を防ぐために、上着や毛布などで身体を温めます。
心臓マッサージ法の詳細はこちら>>消防庁の心肺蘇生法
呼吸が回復するか、救急車が到着するまで心臓マッサージを続けます。
❖意識がある場合
1.衣服をゆるめて楽にします。
2.おう吐物で窒息しないように、横向きに寝かせます。
3.アルコールによる脱水を防ぐために、少しずつ水かお茶を飲ませます。
4.吐きそうになったら、横向きのまま吐かせます。無理に吐かせると
窒息したりするので、無理に吐かせないこと。
口の中のおう吐物はかき出します。
5.意識があっても、変だと思ったらすぐ救急車を呼びましょう。
◆まとめ
急性アルコール中毒は、重症になると高次脳機能障害などの後遺症
が残ったり、死亡したりしますので、周囲の人がすみやかに応急
処置をすることが大事です。
急性アルコール中毒は一気飲みなどをする若者に多いので、心配です。
若者の人口が減り続けている現在、一人でも多くの命を救うために
急性アルコール中毒の応急処置を知っておきたいものです。
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