赤ちゃんが食塩中毒で死亡した食塩の摂取量は?症状や治療法は?

預かり保育中の乳児に食塩を混ぜた液体を飲ませsalts塩
て食塩中毒で死なせるという事件がおきました。

盛岡市の認可外施設で2年前の2015年8月に起きたことで、保育施設を経営していた吉田直子容疑者(33)は今日(2017年7月13日)逮捕されました。

吉田容疑者は「液体に食塩を溶かして飲ませたが、死ぬとは思わなかった」と言っているそうです。

事件の真相はわかりませんが、2015年の7月に
開園したばかりで、8月にはその事件のために
閉園してしまったのです。

せっかく保育施設を開園したばかりなのに、預かった乳児を故意に
殺すとは思えないのですが。

熱中症にならないようにと思って、塩分を多く与え過ぎたのでしょうか。

どれぐらいの食塩の量で食塩中毒になったのか、また食塩中毒について
症状や治療法についても調べてみました。

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◆食塩中毒で死亡した乳児の食塩の摂取量は?

死亡した盛岡市の乳児・下坂彩心(あこ)ちゃん(当時1歳)が
どれぐらいの食塩を摂取したのかは、わかりませんでしたが、

イギリスの論文によると、
食塩中毒を起こした赤ちゃんは、少なくとも10g程度の食塩
(小さじ2杯分)を与えられていたと見ています。
(ソース:乳児が危険?食塩中毒の実態は
市川衛 医療ジャーナリスト)

また、済生会横浜市東部病院の谷口英喜・周術期支援センター長は、体格などの個人差もあるが、1歳児ならば小さじ1杯程度(5~6g)の食塩を摂取すると、致死的になる恐れがあると説明されました。

(ソース:1歳児、食塩小さじ1杯程度で致死的の恐れ 中毒死事件7/11(火) 21:05配信 朝日新聞デジタル)

これらの引用から、1歳位までの乳児は、小さじ1杯から2杯までの
食塩で中毒になると思われます。

❖乳児の1日の食塩摂取量目安

ちなみに、乳児の1日の食塩摂取量はどのくらいなのでしょう。

厚労省の「日本人の食事摂取基準」によると離乳食期の乳児の
食塩摂取量の目安は、1日約1.5gです。

厚労省の表には食塩ではなくナトリウム量で出ていますので、

9~11か月の赤ちゃんは、ナトリウムで1日に母乳から135mg、
離乳食から487mg、合計して約600mg摂るのが目安になっています。
食塩の40%がナトリウムですから逆算して 食塩=1.5gです。

1日で1.5gの食塩が普通なのに、その数倍の5g~10gもの食塩
を1日もかけず、かなり短い時間で飲み物に混ぜて飲ませたので
しょう。
赤ちゃんはしょっぱくなかったのでしょうか。
だとしたら、まだ味覚が発達していなくてわからなかったのかも
しれません。

❖赤ちゃんの夏場の食塩必要量は?

夏の大人は脱水予防のために、スポーツドリンクなど、食塩を
含むドリンクを飲むように言われますが、赤ちゃんはどうなの
でしょう。

帝京大学高度救命救急センターの三宅康史医師は
「必要ない。大量に汗をかいたり脱水状態で肌がしわしわになってきたりしても、水分だけまめにあげていれば問題ない」と強調する。

暑い環境下では、母乳や粉ミルクの授乳時間以外にも水やお茶をまめに飲ませることが大切だという。

吐いたり下痢をしたりしている場合は別だ。水だけでなく体液が減少していることが原因のため、「飲む点滴」といわれる経口補水液が必要になる。

(引用元:乳児、夏場の塩分補給どれだけ必要?
中毒死事件 朝日新聞 DIGITAL 2017年7月20日06時47分)

赤ちゃんは体重の80%が水分でできているので、脱水には強いの
でしょう。極端に暑い場所に赤ちゃんを放置するようなことでも
なければ、わざわざ塩を与える必要はなさそうです。

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◆食塩中毒について、症状や治療法は

❖食塩中毒とは

食塩を一度に過剰摂取したり、食塩摂取量に見合う水分を摂取
できなかったことで、体内のナトリウムの濃度が過剰に高くなる
高ナトリウム血症が原因の中毒です。

❖食塩中毒の症状

多くは嘔吐(ものを吐く)ですが、ほかに、発熱、下痢や成育不良、
発作や硬直、昏睡(こんすい)などの症状もみられます。

重症になると、心不全や肺水腫の状態になるほか、高ナトリウム血症
から不整脈を引き起こし、最悪の場合、死に至るといいます。

乳児が食塩中毒になりやすいのは、
腎臓が未熟で、自力で水を飲めないからです。
通常は食塩中毒が起きることはなく、虐待が背景にあるケースが
多いようです。

❖食塩中毒の治療法は

5%グルコース液の輸液、浣腸および、個々の症状を軽減するための
対症療法を行います。

◆まとめ

乳児が食塩中毒で死亡した事件から、乳児が食塩中毒になる食塩
の摂取量や、1日の目安量について調べました。

また食塩中毒の症状や治療法も調べた結果

乳児が食中毒になる食塩の摂取量は、小さじ1杯~2杯
(5g~10g)と思われます。
✱厚労省によると、乳児の1日の食塩の摂取量の目安は約1.5gです。
なるべく薄味にしましょう。
普通の子育てで食塩中毒になることはまずないですが、今回の事件
のようなこともまた起こるかも知れません。

食塩中毒の症状は覚えておいて、すぐに発見できるようにしましょう。

保育園に安心して預けられるような世の中になって欲しいものです。

下坂彩心ちゃんのご冥福をお祈りいたします。

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