糖尿病予防食材はみかんが効果的!肝機能や脂質代謝異常症にも効果
2016年3月23日、農研機構果樹研究所と浜松医科大などのチームが
「ミカンをたくさん食べる人は生活習慣病の発症リスクが低くなることを確認した」
と発表したので驚きました。
糖尿病の人はみかんを食べ過ぎてはいけないと思っていたので、
たくさん食べる方がよいとはどういうことでしょう。
そこで、詳細を調べてみました。
この記事の目次
◆農研機構果樹研究所と浜松医科大チームの研究
研究対象者
温州ミカンの産地、浜松市の三ケ日町地域で住民健診時に被験者を募り、
30~70歳の男女1073人を対象に研究。
調査事項
「βクリプトキサンチン」の働きに目をつけて、2003年から10年間の健康状態の変化と、
ミカンに多く含まれる橙色(だいだいいろ)の色素
「βクリプトキサンチン」の血中濃度との関係を統計的に分析。
研究結果
毎日3、4個食べるレベルの血中濃度の人は、毎日は食べないレベルの人と比べて、
- 糖尿病の発症リスクが57%
- 非アルコール性肝機能異常症は49%
- 脂質代謝異常症は33%
低かった
※糖尿病が57%低下で、一番効果的ですが、肝機能異常症も脂質代謝異常症もかなりの
効果ですね。
マウスで実験
βクリプトキサンチンをマウスに投与したところ、血糖値を上げにくく、糖尿病の予防効果が期待されます。
また肝臓の炎症抑制や、脂肪細胞でのエネルギー消費促進などの働きがあることが分かった。
※βクリプトキサンチンは血糖値を上げにくく、肝臓の炎症抑制作用や、脂肪細胞でエネルギーの消費を促進させる作用が
あるので、生活習慣病の発症リスクが低下するのですね。
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◆β-クリプトキサンチン とは
ヒトでは、β-クリプトキサンチンはビタミンA(レチノール)に変換されるためプロビタミンA
と見なされていて、他のカロテノイドと同様に、抗酸化物質としてフリーラジカルによる
酸化的損傷から細胞およびDNAを保護していると考えられているそうです。
※それなら抗がん作用も望めそうですね。
◆β-クリプトキサンチンの量は
毎日3個の温州みかんを食べるとなると、摂取するβ-クリプトキサンチンの量は
どれぐらいになるか計算してみました。
温州みかん100gに含まれるβ-クリプトキサンチンの量は
早生種で 2000mcg 普通種で 1800mcg です。
※mcg(マイクログラム)=μg=1/1000ミリg
温州みかんのMサイズの重さが 概略100gですから、
早生種3個で 6000mcg
普通種3個で 5400mcg
最低5400mcg 摂取しなければならないことになります。
◆β-クリプトキサンチンを多く含む食材
β-クリプトキサンチンは天然に存在するカロテノイド色素の一つで、多様な食材に含まれています。
しかし、含有量が一番多いのは温州みかんですので、他の食材で同じ効果をあげるのには
温州みかん3個以上の重さをなべなければなりませんから、かなり困難であると思われます。
100g当たりのβ-クリプトキサンチンの量
食品名 | β-クリプトキサンチンの量(mcg) |
---|---|
早生種温州みかん | 2000 |
普通種温州みかん | 1800 |
タンゼロ | 1300 |
ぽんかん | 1000 |
タンゴール | 880 |
パパイア(完熟) | 870 |
びわ | 810 |
柿(甘柿) | 500 |
柿(渋抜き) | 380 |
いよかん | 270 |
ネーブルオレンジ | 210 |
◆まとめ
農研機構果樹研究所と浜松医科大などの最新の研究で、
「ミカンをたくさん食べる人は生活習慣病の発症リスクが低くなること」が確認されました。
果物をあまり食べてはいけないと思われていた糖尿病の人も、
温州みかんを毎日3~4個食べても良いということは吉報です。
ミカンの食物繊維は糖とコレステロールの吸収を抑えるので大変良い食材であるのです。
しかし、この研究結果ほどの効果を上げるには温州みかんを毎日3個以上食べる必要があります。
ミカン好きの人には毎日3個の温州みかんを食べるのは簡単でしょうが、
うちの夫のように面倒くさがりには大変です。
そのうちサプリで簡単に飲めるものが開発されることを期待します。
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