RSウイルスの赤ちゃんの症状!重症化を見逃さないために
ウィルス感染症の季節になり、RSウィルスが流行していることが
ニュー スになりました。
しかし、RSウィルスという名前を年配の方はご存知ないのではないでしょうか。
私が子供の頃はもちろん、現在40歳代の私の子供たちが生まれた頃も聞いたことがありませんでした。
というのは、RSウィルスが発見されたのが、1960年近くでしたし、2011年 9月まではRSウィルスの検査は 入院患者のみが保険適用対象となっていた ため、i一般には広まらなかっ たのだと思われます。
2011年10月からRSウィルスの検査が保険適用になったため、知られるよ うになったのですからつい最近のことなのです。
主な症状は、鼻水、発熱、咳 で大抵は軽症ですので、普通の風邪だと 思われていたのでしょう。
しかし、赤ちゃんがRSウィルスに感染すると、肺炎や突然死などの重 症になる場合があります。
そうならないために、お孫さんの世話をなさることの多いおじいさんや おばあさんにも、RSウィルス感染症の注意点を知っておいていただきた いと思います。
この記事の目次
◆RSウィルスとは
RSウイルスは、秋から冬にかけて流行する呼吸器感染症の1つです。
感染後、2-8日の潜伏期間を経て発病します。
生後1歳までに50%以上、2歳までにほぼ100%の子供が一度はRSウィル スに感染しますが、抗体ができにくく何回も感染を繰り返します。
感染する度に軽症になりながら3歳までにはほぼすべての子供が抗体を 獲得します。
そのため、大人になってRSウィルスに感染しても重症になることはない とされています。
従って妊婦がRSウィルスに感染しても、お腹の赤ちゃんに影響すること はないのがうれしいですね。
しかし、生後6か月以内の赤ちゃんでは、重症化する場合があるので油 断できません。
◆赤ちゃんの症状
初めて感染した赤ちゃんの25~40%が気管支炎、肺炎、突然死など になるとされています。
時期別に注意する点を解説します。
生後4週未満
感染して発症した場合に、呼吸器が未発達のため、咳がでないことがあ り、誤診や発見の遅れになる場合があります。
更に生後4週未満では、無呼吸が起きやすく、突然死(乳幼児突然死症候群)につながることも知られています。
生後4週未満では無呼吸や無咳に注意
生後6ヶ月以内
最も重症化する時期とされています。
発熱、鼻汁、咳などの症状の後、肺の奥の細い気管支の気管支炎や肺炎 などが出現することがあるのです。
1歳以下では中耳炎の合併もみられることがあります。
※私の子供たちは、年子で2人同時に幼児期に中耳炎になりました。高熱が出て耳からうみが出たので 耳鼻科に連れていったことを覚えています。RSウィルスだったのでしょうか。
2歳以下では
風邪のような症状でも、
呼吸が浅い、無呼吸、ゼコゼコ、ゼイゼイという変な音のせきが出る、 ミルクをあまり飲まなくなったなど、
少しでもいつもと違う症状に気づいたら、早めに受診させましょう。
ウィルス性細気管支炎や肺炎、突然死、まれに急性脳症になる危険性が ありますから。
重症化しやすい赤ちゃん
・心臓や肺、筋肉などの基礎疾患がある
・出生したとき低体重だった
・免疫不全がある
こんな赤ちゃんは、重症化しやすいので特に注意が必要です。
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◆予防法
・現在有効な予防ワクチンはありません。
・赤ちゃんを冬季に外出させるのは控えましょう。
・感染経路は、飛まつ感染と接触感染で空気感染はしませんから、 マスクと手洗い、うがいが有効です。
・接触感染ではおもちゃやドアノブなどの消毒が有効です。
RSウィルスは感染力は強いですが、環境中では比較的弱いウイルスで、 55°C以上の加熱、界面活性剤、 エーテル(アルコール)塩素系消毒薬 などで活動できなくなるとされています。
◆治療法
RSウィルスの検査は、保険適用されるのは1歳未満の子供だけですので、 それ以上の場合は自費になります。
またRSウィルスであることがわかっても、特効薬はありませんので、点 滴など症状に合わせた対症療法 になります。
ただし条件つきで「シナジス」(一般名:パリビズマブ)という抗ウィル ス薬が保険適用されること があります。
これは治療薬ではなく、予防薬で、RSウィルスに感染したとき重症化を 防ぐ薬です。
抗ウィルス薬を使用できる赤ちゃん
早産で産まれた
免疫不全、ダウン症である
肺疾患、心疾患がある
上記に該当する赤ちゃんは医師とご相談ください。
自費ですととてつもない高額になります。
「シナジス」はワクチンではなく、遺伝子組み換え技術によって作られた RSウイルスに対する抗体です。
ウイルスの融合タンパク質を標的とし、RSウイルスの細胞へ侵入を妨げる のです。
ひと月しか効果がなく、秋から冬の半年間、毎月筋肉注射をしなくてはな りません。 しかも自費ですと一回最低8万円かかると言われています。
日本では2002年から、承認・市販されています(商品名:シナジス)が、 いくらお金持ちでも、 なんでもない赤ちゃんに「シナジス」を毎月筋肉 注射 するというのはどうでしょうか。
副作用はほとんどなく安全と言われていますが、遺伝子組み換え技術です よ、何でもないとはとうてい 思えません。
私は戦後のどさくさで、すぐ下の弟を予防接種の副作用で失っています。
安全と言われてもまだ世の中に広く使用されていない薬を信じる気には なれないのです。
それよりは、赤ちゃんの様子をよく観察して、少しでも異常を感じたら 信頼 のおけるお医者さんに 診てもらうのが良いと思います。
パリビズマブ(商品名:シナジス)の詳細はこちら⇓⇓
◆まとめ
RSウイルスは、比較的最近発見された呼吸器感染症の1つで、ほとんどの 人が乳幼児期に感染し、 繰り返し感染してほぼ3歳で抗体が完成します。
したがって大人では重症になることはまずありませんが、2歳以下の 乳幼児では、無呼吸、突然死、気管支炎、肺炎などになる危険性があり、 インフルエンザより 怖い感染症とされています。
したがって、2歳以下の乳幼児がRSウィルスに感染したときの注意事項 について書きました。
生後半年はなるべく感染させないように大人が気をつけて予防すること が大切だと思います。
RSウィルスをご存知ない年配の方などのお役にたてたらと思います。
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