長引く咳や痰の原因!注意すべき病気と見分け方!
NHKの番組で咳や痰(たん)が話題になっていました。
咳と痰から心不全が判明するというのです。
普通は咳と痰で心臓病だなんて気が付かないですよね。
咳や痰がでて、「風邪をこじらせたのかな」と思っていても、3週間以上も長引く咳や痰には重病が隠れていることがあるのだそうです。
それでどんな病気が隠れているのか、注意するべき病気は何か調べてみました。
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この記事の目次
◆長引く咳と時間の関係は
すると、一般的に、かぜやインフルエンザなどの感染症による咳は、徐々に軽くなり、2~3週間ぐらいで治まります。
3~4週間以上も咳が続くことは少なく、とくに8週間も続く場合は他の病気が隠れている確率が高いそうです。
8週間以上続く咳は「慢性の咳(せき)」と言われ、感染症以外が原因であることがほとんどとのこと。
※確かに8週間も咳や痰が続いたら、あなたも「自分はどこか悪いのではないか」と思うでしょうね。
3週間以上咳が続くなら呼吸器内科を受診しましょう。
遅くても8週間以内には受診しないと大変なことになるかも知れません。
◆長引く咳や痰の原因になる病気の分類
3週間以上咳が長引いているあなたが呼吸器内科を受診すると、胸部X(エックス)線検査をされるでしょう。
されないで病気がわかればいいのですが、重病を見つけるのは困難だと思われます。
あなたが胸部X(エックス)線検査を受けたとして病気の分類をしてみますね。
- 胸部X(エックス)線検査で異常がある
- 胸部X線検査で異常がないがぜん鳴(めい)がある
- 胸部X線検査で異常がなくぜん鳴もない
- 胸部X線検査で異常がなくぜん鳴もなく、痰もない
以上の4パターンに分けて病気の分類をしていきますね。
❖1.胸部X(エックス)線検査で異常があれば
- 肺がん
- 肺結核
- 肺炎球菌性肺炎
- マイゴプラズマ性肺炎
- 間質性肺炎
- 肺血栓塞栓症
- 心不全
- 胸膜炎
- 気道異物
などの病気です。
注意すべき病気は
1.肺炎球菌性肺炎:肺炎は日本国民の死因の上位にありますが、65歳以上の方が肺炎をおこす原因で最も多いのが「肺炎球菌」なのです。
肺炎球菌はとても身近な菌なので、免疫力が弱まると口や鼻から肺に入って増殖し誰でも、肺炎になる危険があります。
初期症状は咳や熱で、風邪とそっくりですから、高齢者のあなたは特に注意が必要です。
早めに受診すれば、よくある病気なので医師が間違えることはないでしょう。
65歳以上の方は「肺炎球菌ワクチン」の補助がありますので、摂取すると良いですよ。肺炎の重症化を防ぐ効果が期待できます。
一回打つと5年間有効といわれています。
2.結核:結核は今でも日本人の2割が感染していると言われる病気です。 症状は咳や微熱、痰などで風邪に似ています。
風邪のような症状を何度も繰り返しながらゆっくり進行します。重症になると痰に血液が混じるようになります。
よく昔のドラマで、結核で血を吐いている場面がありますよね。
結核は国の法律で毎年胸部X線検査が義務付けられていますから、さぼらすに健診を受けて下さいね。
3.心不全:心不全の咳は喘息に似ていて、夜寝てからひどくなり起き上がると少し楽になるのが特徴です。
咳がひどくなると「泡沫状の痰」がでたり、軽い運動でも息が切れたり、足や顔のむくみが強くなるなどの症状が現れます。
胸部X線写真では、心臓が拡大していたり、肺に液体が貯留しているかどうかで心不全がわかります。
心臓が悪くて咳がでるとは考えにくいでしょうが、覚えておいて下さいね。
❖2.胸部X線検査で異常がないがぜん鳴(めい)があれば
- ぜん息
- COPC
が疑われます。
※ぜん鳴とは:ゼーゼー・ヒューヒューというような音がすること
注意すべき病気は
COPD:COPDとは慢性閉塞性肺疾患のことです。
中高年以降でたばこを吸って、痰をともなうせきが長く続いている人はCOPDの可能性があります。
あなたは大丈夫ですか。
坂道や階段で息切れや動悸がし、ひどくなると呼吸困難になります。
鼻にチュウブをつけて酸素ボンベの車を引いているCOPDの患者さんをみかけることはありませんか。早期発見が大事ですよ。
❖3.胸部X線検査で異常がなくぜん鳴もないなら
- 副鼻腔気管支症候群
- 後鼻漏
が疑われます。
注意すべき病気は
後鼻漏(こうびろう):副鼻腔気管支症候群は副鼻腔炎(蓄のう症)と気管支炎が合併して生じるので咳がでるのはわかります。
しかし、後鼻漏(こうびろう)は、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄のう症)が原因で、鼻汁がのどの後ろに流れる状態ですから、そんなに咳がでるとは考えにくく、分からない医師もいるようなのです。
子供も成人もかかる病気とのこと。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄のう症)がある人は耳鼻科を受診するといいですね。
※小児では胃食道逆流症後鼻漏などでぜん鳴が見られる場合がある。
❖4.胸部X線検査で異常がなくぜん鳴もなく、痰もないなら
- 咳喘息
- アトピー咳嗽
- 百日咳
- 感染後咳嗽(がいそう)
- 胃食道逆流症(GERD)
- 心因性咳嗽
などが疑われます。
※咳嗽(がいそう)とは一般的には咳(せき)のこと。
注意するべき病気は
1.咳ぜん息(せきぜんそく):長引く咳の原因として、最近とくに注目されている病気です。
慢性の咳の原因の約4割が、咳ぜん息なのだそうです。
痰がほとんど出ない乾いた咳が続き、ぜん鳴や呼吸困難もありません。
しかし悪化するのを放置すると、約3~4割の人が本物のぜん息に進行するとされています。
風邪を引いた後にこんな咳が8週間以上続くなら咳ぜん息かもしれません。
詳細はこちら⇒咳喘息の原因と症状!最新の検査・治療法と私流の治療法について
2.百日咳:まずスタッカートと言う短い間隔の「エホ、エホ、コン、コン」という咳が連続的に出ます。
続いて息を吸い込むときに「ヒューという笛のような音」がするのが百日咳の特徴です。
また咳をした後に吐き気がしたり、実際に吐いてしまうようなことがあったら、百日咳が強く疑われます。
※でも、この特有の咳は成人にはあまり出ないため、百日咳の診断は難しく、喘息や副鼻腔炎(蓄のう症)と間違えられることが多いそうです。
近年子供の頃に接種した三種混合ワクチンの効果が薄れて、20歳以上の成人が多く百日咳にかかるようになりました。
成人が百日咳にかかっても重症化することはまずないそうですが、乳幼児では肺炎や脳症を併発して重症になることもあります。
生後3ヶ月になったらすぐ、四種混合ワクチンを接種しましょう。
百日咳のワクチンを接種していない1歳未満のお子様がいるご家庭では、長引く咳の大人は注意が必要です。
もしあなたにお孫さんがいたら、気をつけて下さいね。大事なお孫さんに百日咳を感染させたら大変です。
◆痰(たん)で重病を見分ける方法
- 緑色の痰・・重い気管支の炎症 気管支肺炎・気管支拡張症に感染を伴うもの。
- さび色の痰・・肺炎球菌性肺炎
- 白に赤い点が混じったたん・・肺がん 肺結核
- ピンク色・・肺水腫
- 透明、白色、淡黄色・・重病ではないことが多い
自分の物でも汚いと思う痰ですが、肺の異常を知らせる重要なサインですからティッシュに取って色などのチェックをしましょう。
痰がでる咳は無理に咳止め薬で止めるのはよくありません。
肺の異物を外にだそうとする身体の大切な防御反応によるものですから、そのたんがでる本当の原因を突き止め早めに治療しましょう。
◆まとめ
せきが3週間以上、とくに8週間以上続いたら、専門医を受診しましょう。
呼吸器内科やアレルギー科などの専門医からきちんと診断してもらい、
何が原因なのかをはっきりさせることで、自分の健康を回復し、回りの
人々に病気を感染させることを防止できるのです。
長引く咳や痰の原因になる注意すべき病気と見分け方についてまとめました。
あなたのお役に立てればうれしいです。
耳鼻咽喉科に1年余り通っていますが,タンのからみが治りません、呼吸は苦しくありませんが、声のかれがひどくなっていると思われます。レントゲン,CTも異常なく、スコープでのぞいても喉には異常はないとのことです。タンの切れをよくする薬,気管を広げる薬、ネぷライザーなどをつづけています。なにか直す方法があったらコメントお願いします。
コメントありがとうございます。
タンの色など詳しいことがわかりませんので何とも
言えませんが、
医師が気付きにくいのは、副鼻腔炎(蓄膿症)やアレルギー性鼻炎により喉の奥から濃い鼻汁がでて、タンのようにからむことがあります。
半年から1年ぐらい副鼻腔炎の治療をすれば治るようですが。お医者様に聞いてみてはいかがでしょう。
セカンドオピニオンで他の医師に意見を聞くのも良いかと思います。