血圧サージの危険度チェック法!予防と対策はタオル握りで簡単に
血圧サージとは、平常時の血圧が正常値の範囲
にある人でも、瞬間的に上(収縮期)の血圧が
180mmHg程度まで急上昇することがあり、
これが「血圧サージ」です。
「サージ」とは英語で「波が押し寄せる」とい
う意味で、起床後2時間以内に起きる人が多い
そうです。
血圧サージが起きる人は、起きない人に比べて
突然、心筋梗塞や脳卒中を起こす確率が2倍以上
になることがわかり、問題になっています。
まずは、NHKで放送された(2017年10月29日)
血圧サージの危険度チェックをしてみましょう。
リスクの高い人は、予防と対策が必要ですね。
この記事の目次
◆血圧サージの危険度チェック法
選択肢のうち、あてはまるものを選んで得点の合計を出します。
【監修・帝京大学医学部 大久保孝義教授】
- 問1.あなたの年齢は?
65歳未満(0点) 65歳以上(1点) - 問2.あなたのBMI(体格指数)は?
25未満(0点) 25以上(1点)
【BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)】
- 問3.深夜にトイレに行く?
0回(0点) 1回(1点) 2回以上(2点) - 問4.日中眠くなることは?
あまりない(0点) よくある(1点) - 問5.味の濃いものが好き?
好きではない(0点) 好き(1点) とても好き(2点) - 問6.果物を食べる?
よく食べる(0点) あまり食べない(1点) - 問7.お酒を飲む習慣は?(日本酒1日1合以上を週4日以上)
ない(0点) ある(1点) - 問8.タバコを吸う?
吸わない(0点) 吸う(1点)
評価 点数の合計が
0~3点は リスク 低
4~6点は リスク 中
6点以上は リスク 高
です。
リスクが中以上の人は、血圧サージが起こりやすく、その結果
心臓病や脳卒中になりやすいことが分かってきました。
そのメカニズムを理解して、血圧サージの予防や対策を学びま
しょう。
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◆血圧サージが起きるメカニズム
健康な人でも、血圧は1日の中でゆるやかに変動しています。
普通は、朝から日中は身体が活動しやすいように血圧が上昇し
夜は休息するために低下します。
この変化をつかさどるのは、自立神経のうち交感神経の働き
によるのですが、この交感神経の働きに異常が生じると、
朝に必要以上に血圧が上昇したり、夜になっても下がらなかっ
たりするのです。
その結果、異常な乱高下が生じ血圧サージが起こります。
交感神経の異常は、交感神経が過敏になることで生じます。
❖交感神経が過敏になる要因
交感神経が過敏になる原因には
加齢、肥満、塩分、飲酒、喫煙、ストレス
などがありますので、リスクが高い人は、これらの要因を
避けることが必要になります。
❖心臓病や脳卒中になるメカニズム
血圧サージが長い期間にわたって頻繁にくりかえされると、
血管が損傷され、脳や心臓に関わる病気のリスクが高まる
のです。
3年前に発表された、日本全国の21000人以上を調べた研究
によると
- 1.日中の血圧だけが高い、いわゆる高血圧だけの人は
脳卒中や心筋梗塞のリスクは正常の約1.4倍に。 - 2.日中の血圧は正常でも、朝だけ高い血圧サージがある人
はリスクが約2.5倍に。 - 3.高血圧で、血圧サージがある人は、リスクが約3.9倍
にもなったそうです。
こうしてみると、血圧サージは非常に危険だということが
わかりますね。血圧が正常だと思っていても、高血圧だけ
の人より、危険が増すのですから。
◆血圧サージの予防法
❖交感神経が過敏にならないようにする
血圧サージの予防は、血圧サージの危険度チェックをして
リスクが中以上の場合は、交感神経が過敏になる6要素
のうち、加齢を除く、肥満、塩分、飲酒、喫煙、ストレス
の5要素を排除することです。
❖血圧サージが自分に起きているかどうか確認する
次に、血圧サージが自分におきているかどうか確認する
必要があります。
まず家庭で血圧を測ること。
タイミングは、朝起床してトイレをすませ、起床後1時間
以内に血圧を2回測り、平均値を記録します。
最高(収縮期血圧)が135mmHg以上、
最低(拡張期血圧)が85mmHg以上の数値がひんぱんに出る
ならば血圧サージのリスクがあるといえます。
もともと高血圧の人は、やはり起床後1時間以内に、5日間
血圧を測り、最も高い値と低い値の差が収縮期血圧および
拡張期血圧それぞれが20mmHg以上あるなら
血圧サージのリスクがあります。
血圧サージのリスクがあるかも知れないと思った方は次の
対策をしましょう。
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◆血圧サージの対策
❖毎日血圧を測る
毎日血圧を測ることにより、自分の血圧のタイプがわかり、
どんな時に血圧サージが起こるかがわかり、対処しやすく
なります。
❖ハンドグリップ法を行う
これはアメリカやカナダでは握る器具を使用して行われて
いるのですが、日本ではフェイスタオルで代用して握る方法
が考案され、同様の効果があるそうです。
ハンドグリップ法をフェイスタオルでやっている動画があり
ましたのでアップしておきます。
血圧を下げる☆タオル1本!握るだけ
ハンドグリップ法のやり方は簡単です。
- ①縦30cm、横80cmぐらいのフェイスタオルを用意して
- ②四つ折りにして、端からクルクル巻いてタオル巻きを作る
- ③親指と他の指がくっつかないように軽く握る(30%の力)
親指と他の指がくっつく場合は、もっと厚地のタオルを使う - ④そのまま2分間握り、1分間休む。
(呼吸を止めると血圧が上がるので止めないこと) - ⑤これを左右2回ずつ、一日おきに4週間以上行う
これだけです。
※注意)
強い力で握り過ぎると、血管が過剰に圧迫され、血圧が乱
高下し、めまいを起こすおそれがあります。
◆ハンドグリップ法で効果が出る理由
タオルを握ったり、ゆるめたりすると、血流が止まったり
流れたりすることで、血管の内皮が刺激されて、内皮細胞
から一酸化窒素が出てきます。
この一酸化窒素が血管を柔らかくすることで、長く続ける
と血圧が下がります。
また、タオルを握ると腕の血圧が一時的に高くなるので
神経を通じてその情報を知った脳が、血圧が上がり過ぎた
と判断して、交感神経の活動を抑えます。
これを繰り返すことで、交感神経が鈍くなり、過敏に反応
しなくなると考えられるそうです。
ハンドグリップ法は、血圧をさげ、血圧サージも減らすと
いう素晴らしい方法です。
「ハンドグリップ法」を考案したのは、カナダ・マクマスター
大学の高血圧治療の専門家、フィリップ・ミラー博士です。
それを応用して、「タオルをつかったハンドグリップ法」を
考案したのが日野記念クリニック所長の 久代登志男さん
とのこと。
お二人に感謝です。
◆まとめ
突然血圧が上がるという血圧サージは、心筋梗塞や脳卒中
ひいては認知症になる危険があることが分かりました。
「NHKスペシャル 血圧サージが危ない」や「ガッテン」
で学んだ血圧サージの危険度チェック法、血圧サージが起
きるメカニズム、予防と対策についてまとめました。
血圧を下げ、血圧サージも減らすことができるタオルで
できるハンドグリップ法が、簡単に安価にできて、世界で
認められているハンドグリップ法の効果と同様な効果が
得られるということに驚きと感動を覚えました。
筆者は、血圧は低めで、血圧サージはなさそうなので
実験ができないのは残念ですが。
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