失明原因第一位の緑内障予防対策!近視の人がなり易い理由も
加齢のために白内障が気になって年1回、誕生日に
定期的に眼科を受診しています。
そろそろ白内障手術の時期かなと思っていたところ
「眼圧が高いのとへこみがあるので正月休みがあけ
たら緑内障の検査をしましょう」と医師に言われました。
見えない視野はないので、まさか緑内障の心配が
あるとは思ってもみませんでした。びっくりです。
ちょうど「NHKチョイス@病気になったとき」で
緑内障について放送されましたので、勉強しました。
私なりに勉強して分かったことをご紹介します。
この記事の目次
◆緑内障の予防対策
❖緑内障とは
40歳以上の日本人の、20人に1人が緑内障になると
いわれ、失明原因の第一位になっている目の病気です。
緑内障は目の神経(視神経)が障害されて、視覚情報が脳に
伝わらなくなり、視野(見える範囲)が欠けてしまう病気です。
欠けてしまった視野は現状では回復できませんが、病気の進行
を抑える治療はできます。
❖緑内障の予防対策
従って、緑内障の一番の予防対策は、定期的に検査して、早期発見
をすることにつきますが、それだけでは、続きません。
番組の協力者のAさんは、たまたま目が充血して(緑内障のせいでは
ない)眼科を受診し、毎年受診するように言われましたが、5年間
会社の検査で異常なしだったので定年退職後は受診しませんでした。
さらに5年後に新聞が見えにくくなって受診したところ、右目の視野
の上3分の1が欠けて見えなくなるほど緑内障が進んでいたのです。
それでもほおっておかなかったので、治療でその後は進行していない
そうですが、Aさんは緑内障の恐ろしさを知らなかったのです。
知っていれば、毎年検査を続けて早期発見ができて、今より良い
状態を保つことができたはずです。
予防対策は緑内障についてよりよく知ることであると私は思います。
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◆緑内障の原因は
緑内障の原因は、主に、眼球の中の圧力(眼圧)が高くなり、
網膜の神経乳頭が圧迫されて神経に障害が起きるためです。
しかし、正常眼圧(10~20 mmHg)の範囲内でも緑内障になることが
あり、それは「正常眼圧緑内障」といいます。
日本人の緑内障患者の7割は「正常眼圧緑内障」なのだそうです。
正常眼圧でも緑内障になるのは、視神経の強さに個人差があるから
だとのこと。
❖眼圧が上がる原因
眼圧があがる原因は、眼球内の房水の流れがとどこおることで起こり
ます。
房水は毛様体で作られ、血管がない角膜や水晶体などに酸素と栄養を
運ぶ透明な液体で、涙とはちがいます。
※ちなみに涙は涙腺で作られ、眼球の外側をうるおす液体で、
緑内障とは関係ありません。勘違いしている人が多いのでご注意下さい。
さて、房水は水晶体や角膜をうるおした後、角膜と白目の境にある
隅角(ぐうかく)というすき間からシュレム管を経て眼球外の血管に
排出されます。
ところがこの隅角が詰まると、水圧が上がり、水晶体が後方(網膜側)
に押され眼球内部全体に圧力がかかり、視神経が障害されるのです。
このとき、重症になると角膜がむくんで瞳が緑色に見えるので緑内障
と名付けられたそうです。
❖隅角がつまる原因
生まれつき隅角の作りが不完全な先天的な原因。
ほかの病気やケガ、ステロイド剤の使い過ぎなどによる続発的な原因。
などがありますが原因がわからないことがほとんどのようです。
◆緑内障になりやすい人
●血縁者に緑内障患者がいる人
遺伝的に、隅角の形が悪いなどの要素があると考えられます。
●40歳以上の加齢者
加齢によって、隅角が変形したりすることが考えられます。
●近視の人
近視の人は構造的に眼圧が高くなるようにできています。
次に、その構造を説明しますね。
❖近視の人が緑内障になりやすい理由
近視になる原因には2つのタイプがあります。
①軸性近視
→生まれつき水晶体から網膜までの奥行が長い治らない近視。
眼球の内容物が多くなるので、それだけで眼球の内壁に圧力
がかかり、眼圧が高くなりやすい。
②屈折性近視(仮性近視、他)
→近くを見過ぎで、水晶体が膨らんだままになっている治る近視です。
水晶体が膨らんで後方に圧力がかかり眼圧が高くなります。
近視の人は構造的に眼圧が高くなりやすいため、隅角に少し
でも不具合が起ると、緑内障になりやすいと思われます。
◆緑内障の症状
❖初期には自覚症状がない
通常の緑内障は、初期のうちほとんど自覚症状がありません。
片方の視野が欠けても、もう一方の目がそれを補うので、
わからないのです。
時々片方の目で全体が見えるかどうか確認することが大切です。
その他に、
●信号を見落とす。
●段差につまずきやすい。
●お茶をよくこぼす。
などの症状が現れたら、すぐ検査をしなさいと
番組の専門家である
富田剛司(とみた・ごうじ)東邦大学医療センター大橋病院教授
はアドバイスなさいました。
❖急性緑内障発作
急激に眼圧が上昇した場合は、眼痛・充血・目のかすみのほか、
頭痛や吐き気を自覚することがあります。
これは急性緑内障発作といって、急速に視野が悪化していきます
ので、すぐに治療を受ける必要があります。
症状が激しい場合は救急車を呼びましょう。
◆緑内障の検査方法
上記の症状などがあり眼科を受診すると、検査をするのは主に
- 眼圧検査
- 眼底検査
- 視野検査
などです。
❖1.眼圧検査
→眼球にかかる圧力を測定します。
目に直接接触させて測定する器械や、目に圧縮した空気を吹き
込んで測る機械などがあります。正常値は 10~20mmHg です。
❖2.眼底検査
→目の奥の血管や視神経の状態を調べます。
眼底検査では、瞳孔を開く点眼薬をさして検査しますので、自分
で車を運転して来るのは避けましょう。しばらくまぶしいので危険です。
❖3.視野検査
→視野の欠損を測定します。
上図の黒っぽい部分が視野が欠けている部分です。
最近は近赤外線を使って、普通の眼底検査ではわからない視神経の
状態をくわしく調べることができるOCT検査が普及して、かなり
早期に緑内障を発見できるようになりました。
緑内障は早く発見して治療すれば、失明することはほとんどなく
なりましたので、とにかく早く発見することです。
◆緑内障の治療方法
緑内障の治療法には主に、3つの方法があります。
- 点眼薬治療
- 外科治療
- レーザー光線治療
❖1.点眼薬治療
点眼薬で眼圧を下げる治療法です。
それには2種類あって
●房水を流れやすくして眼圧を下げる薬
・プロスタグランジン関連薬
・α2刺激薬
・Rock阻害薬
●房水の量を減らす薬
・β遮断薬
・炭酸脱水酵素阻害薬
などがあります。
❖2.外科治療
房水を排出する穴を外科的手術で大きくします。
術後の確認をするために、1週間から10日間の入院が必要です。
❖3.レーザー光線治療
隅角にレーザー光線をあてて焼き広げます。
入院は不要で日帰りでできます。
が、この方法は、効果があるのは3人に1人ぐらいで、再びつまる
場合が多いようです。
◆結び
白内障を気にして定期的に受診していたところ、緑内障の疑いが
見つかりました。
医師が、へこみがあると言ったのは、「視神経乳頭陥凹拡大」
(ししんけいにゅうとうかんおうかくだい)があるということの
ようです。
こんな難しい言葉を使ってもわからないので単にへこみと言った
のでしょう。
緑内障になると視神経が縮小して視神経乳頭のへこみが大きく
なるのだそうです。
へこみが大きいからといって必ずしも視野が欠けているとは限ら
ないのですぐに治療が必要になるわけでもないようです。
それで、次回視野検査などをするようです。
ちょっと心配ですが、定期受診のおかげで早期発見ができることは
良かったと思います。
この記事を読んで下ったあなたも、ぜひ眼科を定期的に受診して
緑内障の検査をすることをおすすめします。
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