アトピーのかゆみ抑える抗体治験で効果実証!新注射薬の仕組みは?
「ネモリズマブ」という抗体が、アトピー性皮膚炎
のかゆみを大幅に軽減することが国際共同治験で
実証されたそうです。
なにはともあれ、アトピー性皮膚炎の一番の問題で
あるかゆみが大幅に減ることは朗報です。
中外製薬が開発したという「ネモリズマブ」という
抗体がどうやって、アトピー性皮膚炎のかゆみを
軽減するのか、調べてみました。
この記事の目次
◆「ネモリズマブ」の注射薬がかゆみを減らすしくみ
京大の椛島健治教授(皮膚科学)によると、アトピー性皮膚炎の患者
のかゆみには、たんぱく質「インターロイキン31(IL31)」が関与
していることが、欧州の研究者らによって報告されているとのこと。
❖たんぱく質「インターロイキン31(IL31)」とは
アトピー性皮膚炎の患者では、リンパ球の一種(T細胞)から分泌
される「インターロイキン31(IL31)」という物質が血中に
異常に増えていることが分かっていて、かゆみを起こす原因として
注目されています。
アトピー性皮膚炎のかゆみは、この(IL31)が神経細胞の受容体
に結びつくことで生じると考えられているのです。
❖「ネモリズマブ」の働きは
「ネモリズマブ」は「インターロイキン31(IL31)」が神経
の受容体に結合するより先に神経受容体に結合することにより、
(IL31)の結合を妨げて、かゆみを生じさせないように働く
のです。
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◆「ネモリズマブ」治験の結果
❖治験を行った病院
日本では、京都大学、九州大学、東京逓信病院の3病院
他に、米国、英国、ドイツ、ポーランドの各1病院で実施しました。
❖治験方法
中等から重症の成人患者計200人を対象に、12週間(約3か月)に
わたって行いました。
ネモリズマブを4週間に一回 0.5~2mg 注射しました。
❖12週間後の結果
約6割の患者でかゆみが50%以上軽減しました。
かゆみが軽くなったことで、かくことが減り皮膚の症状が改善し
睡眠に入るまでの時間が短縮し、日中眠くなるなどの副作用も
ありませんでした。
半分以上もかゆみが減ったというのは効果があったということですね。
椛島教授は「アトピー性皮膚炎の患者は国内で大人の2~3%、小児の
10%程度と多い。ネモリズマブは、かゆみを抑えるのに画期的な抗体だ」
と話しておられます。
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◆今後の見通し
アトピー性皮膚炎は、これまでステロイドなどの炎症を抑える塗り薬
などはありましたが、かゆみを根本的に治す治療法はありませんでした。
研究グループはさらに多くの患者で効果などを確認し、早ければ、
2年後(2019年)の実用化を目指しているそうです。
(ソース:アトピーかゆみ大幅減=抗体開発、国際治験で実証―京大など)
時事通信 3/2(木) 7:04配信 他
◆まとめ
アトピー性皮膚炎の新たな治療薬ができそうです。
2年後と言いますからもう少しですね。
現在かゆい目にあっている人々には待ち遠しいことでしょう。
しかし、今までかゆみを根本的に治す治療法は無かったのです
から、画期的な出来事ですね。
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