血栓溶解剤は体内で作られる!血栓の原因と溶解力をアップする方法
私はブログに熱中すると数時間パソコンの前に
座りっきりになるので、エコノミークラス症候群
になって、血栓ができるのではないかと、
とても心配していました。
そんな折、NHKのガッテンという番組
(2016年5月11日)で、血栓溶解剤
は私達人間の体内で生産されていると
いうのです。
そして、自分でその血栓溶解剤を増やす
こともできるとのこと。
びっくりして詳細を調べてみました。
この記事の目次
◆血栓ができる原因
血栓とは、血管の中にできる血液の塊のことで、
「血液がドロドロである」「血管壁に傷がつく」「血流が遅くなる」
と血栓ができやすくなるとされています。
が、なんと血栓は私たちの血管内で毎日できているのだそうです。
その原因は
- ストレス:
ガッテンの実験で、恐怖などのストレスで血栓ができていました。 - 肥満:
太ると心臓に負担がかかり血流が悪くなり血栓ができやすい。 - 不整脈がある:
心臓の働きが悪くなり、血流がよどみ、心臓内で血栓ができやすい。 - 糖尿病:
血管内に糖が多いため、血管内皮に傷ができやすく、傷を治そうと血栓ができる。 - 喫煙:
タバコは血管を収縮させて血流を悪くするので血栓ができやすい。 - エコノミークラス症候群:
長時間座っていることで足の血流が滞って血栓ができる。
などがあります。多かれ少なかれ、ストレスは毎日あるでしょうから、
毎日血栓ができるだろうことは分かりました。
◆血栓溶解剤t-PA
脳梗塞の治療に使われる「t-PA」(tissue-plasminogen activator:
組織プラスミノゲン活性化因子)という特効薬があります。
4時間半以内に脳梗塞の患者にこの薬を点滴注入すると、
脳の血栓が溶けて、後遺症を防ぐことで知られています。
しかし、このt-PAが、もともとは私たちの血管の中に分泌
されている物質であることは知りませんでした。
t-PAは血管内皮細胞で生産されるそうですが血管内皮は
t-PAを生産するだけではなく、他にも血栓を防ぐ仕組み
があるのです。
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◆血管内皮の抗血栓と血栓溶解作用
血液は血管内を循環している間は普通は凝固しない
のはなぜでしょう。その秘密は血管の内皮にあります。
血管内皮には、血液を凝固させない仕組みがあるのです。
それは血管内皮に存在する以下の物質のおかげです。
- トロンボモジュリン(TM)
- ヘパリン様物質(ヘパラン硫酸)
- PGI2(プロスタサイクリン)
- 一酸化窒素(NO)
- 組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)
これらの物質は、ほとんどが薬になっていますが、それぞれの
役目について簡単に説明します。
1. トロンボモジュリン(TM)
血液凝固因子であるトロンビンを抑制して血液の凝固を抑えます。
このトロンボモジュリンは、全身の臓器に広く分布していますが、
脳にはほとんど分布していないことが知られています。
脳は人間のからだの中で、最も血栓症が多い臓器ですが、
トロンボモジュリンが分布していないことが原因と考えられています。
2. ヘパリン様物質(ヘパラン硫酸)
ヘパリンは抗血栓剤として病院でよく点滴した経験がありますが、
このヘパリン様物質は抗凝固性蛋白であるアンチトロンビン(AT)と
外因系経路インヒビター(TFPI)が結合して血栓を防ぎます。
アンチトロンビンは肝臓で産生され、TFPIは血管内皮で
産生されます。
3. PGI2(プロスタサイクリン)
血液を凝固させる血小板の機能を抑制して血栓を防ぎます。
4. 一酸化窒素(NO)
一酸化窒素は血管内皮から産生され、血管を拡張することで
良好な血液循環を維持して血栓を防ぎます。
運動することでより多くの一酸化窒素が産生されるとされます。
5. 組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)
t-PAは、血管内皮で産生され、血栓を防ぐのではなく、できて
しまった血栓を溶かす働きをします。
t-PAは、肝臓で産生されたプラスミノゲン(Plg)をプラスミンに
転換し、プラスミンが血栓(フィブリン)を分解します。
t-PAは、1~4までで防ぐことができなかった血栓を溶かす最後の
砦(とりで)です。
◆血栓を溶かす力をアップする方法
血栓を溶かす力をアップさせるのは、軽い運動です。
ウォーキングなど、息が上がらない程度の軽い有酸素運動です。
1日30分ほどを毎日行うのが理想的で、血栓を溶かすt-PAが持続
する体になれるそうです。
ガッテンの実験では、激しい運動はより多くの効果がありましたが、
継続するのが困難で一過性で終わってしまい、効果が持続しません。
軽い有酸素運動は、一酸化窒素も多く発生し血流を良くします。
他にも色々効果がありますので、普段運動をしない人ほど、やって
みると良いでしょう。
◆まとめ
血栓ができる原因には
- ストレス
- 肥満
- 不整脈がある
- 糖尿病
- 喫煙
- エコノミークラス症候群
などがありますので、普段から意識して予防する
必要があります。
また血管内皮には血栓を予防したり、できてしまった
血栓を溶かす多くの働きがあることを知りました。
特効薬のt-PAが血管内皮で産生されることも知り
勉強になりました。
血栓を溶かす力をアップするために毎日軽い運動を
しようと思います。
★参考サイト
NHK ガッテン (http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20160511/index.html)
金沢大学 血液内科 ホームページ (http://www.3nai.jp/weblog/entry/24101.html)
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