ハンター症候群とは?顔貌の画像や難聴、遺伝の噂も気になる!

難病の「ハンター症候群」について
今まで治療法がなかったtarakokuchibiru_manたらこ唇
知的障害の改善が期待される薬の
治験が開始されるそうです。

製薬会社JCRファーマ(兵庫県芦屋市)が2017年3月末から始めるとのこと。

ハンター症候群とはどんな病気なのか、顔貌の特徴などについて調べてみました。

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◆ハンター症候群とは

ハンター症候群とはムコ多糖症という遺伝性難病の一つです。

ムコ多糖という物質を分解する酵素が生まれつきできないか
働きが弱いため、

全身の細胞に不要になった物質(ムコ多糖)がたまり、さまざま
な症状が表れる難病です。

❖ムコ多糖とは

ムコはラテン語の mucus から来ていて、動物の粘性分泌物を意味
し、ムコ多糖ではアミノ酸を意味しています。

多糖とはブドウ糖や果糖の単体の糖が複数結合している糖です。

従ってムコ多糖とは、アミノ糖を含む多糖類の総称でヒアルロン酸
やコンドロイチン硫酸などがよく知られているムコ多糖類です。

❖ムコ多糖の役割

ムコ多糖は細胞同士の接着に使われ、私たちの身体の細胞の周りで
水分(体液)を蓄えて身体を みずみずしく保っている大切な物質です。

この水分を通じて、細胞に栄養を運んだり、 不要となった老廃物を
分解排除して身体の機能を維持しています。

そのために常に合成と酵素による分解が繰り返されているのです。

従って、ムコ多糖分解酵素がうまく働かないと、老廃物が体内に溜
まって色々な障害が発症するのがハンター症候群なのです。

❖ハンター症候群の名前の由来

ムコ多糖症は7型に分類されていて、それぞれの型で症状が違います。
また同じ型でも患者さんによって症状は色々です。

この中で、
1917年、ハンター博士が、世界で初めてムコ多糖症Ⅱ型の患者さん
の症状について報告しましたので、彼の功績に敬意を表し、
ムコ多糖症Ⅱ型がハンター症候群(ハンター病)とも呼ばれるように
なったのです。

他の型にも名前がついているようです。

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◆ハンター症候群の症状

不要なムコ多糖が細胞内に蓄積する結果、気管支や心臓の病気、
肝臓などの肥大、関節のこわばり、知的障害、精神発達遅滞、難聴
など全身に症状が出るとされています。

またガーゴイル顔貌という特有の顔つきもハンター症候群の特徴
です。

❖ハンター症候群の特徴的な顔貌と画像

ハンター症候群に特有なガーゴイル顔貌とは

・頭のサイズが大きい
・額が突出している
・鼻筋が低い
・小鼻が広がっている
・眼と眼の間が広い
・まぶたが眼の内側かぶっている
・唇が厚くて広い

といった特徴があります。

ハンター症候群の特徴的な顔貌
ダウンロードハンター症候群

 

 

❖ハンター症候群による難聴

ムコ多糖分解酵素の欠如による代謝疾患に合併する難聴です。

2~4歳に発症する混合性難聴で、男性のみに出現し、精神遅滞を伴います。

混合性難聴とは、中耳炎や鼓膜の損傷などから起こる伝音性難聴
と、内耳や聴神経といった感音器の障害が原因でおこる感音性
難聴の両方の症状がおこる難聴です。

❖ハンター症候群の遺伝

ハンター症候群はムコ多糖症の中では唯一、X染色体劣性遺伝を示し、
男児のみが発病します。

出生男児の11~13万人に1人の割合で発症すると報告されています。

国内では年間5~10人がこの病気を持って生まれ、現在は200人弱
の患者がいると推計され、7割ほどが重度の知的障害を伴うとのこと。

4~5歳ごろから障害が進行し、重症の場合は最終的には意思疎通が
できなくなり、未成年で死亡することが多かったそうです。

軽症な場合は精神発達遅滞もなく、60歳くらいまで生存する場合も
あります。

◆ハンター症候群の治療法

❖現在の治療法

1.骨髄移植

肝脾腫、関節拘縮、呼吸障害、皮膚の柔軟性には改善が期待されます。
中枢神経や骨病変には無効とされていますので、精神発達遅滞が発症
しない軽症型で、症状が進行する前の早期治療が勧められています。

2.酵素補充療法

2007年11月より合成酵素補充療法が承認され、身体の症状は改善でき
るようになりました。

3.遺伝子治療

米国では試みられています。

❖これからの治験による治療法

2007年11月から開始された酵素を点滴で補充する治療法のおかげで、
身体の症状は改善され、未成年で亡くなることは少なくなりました。

しかし、脳関門は、決まった物質以外は血管の壁を通さない厳重な
仕組みがあるため、必要なムコ多糖分解酵素を脳内に届けることが
できませんでした。

そこで、製薬会社JCRファーマは、脳関門を通ることができる
物質と一緒にその酵素を点滴で脳内に届けることができる技術を
開発したのです。

それによって知的障害や中枢神経障害が改善される可能性がでて
きたのです。

マウスやサルの実験では効果が確認されたといいます。
2017年3月からの治験が楽しみです。

(ソース:<ハンター症候群>薬の効果、脳の「関門」突破近く治験
毎日新聞 3/19(日) 6:50配信 他

ハンター症候群のお子様との日々の
記録です。

◆まとめ

ムコ多糖症という遺伝性代謝異常症であり、難病の一つである
ハンター症候群について調べたことをまとめました。

ハンター症候群は、ムコ多糖を分解する酵素が作れないか
少ないために代謝ができず、ムコ多糖が細胞内に溜まって
様々な症状が起きる病気です。

ムコ多糖とは何か、その役割について、またハンター症候群の
名前の由来。

ハンター症候群の症状や今までの治療法、これからの治験の
治療法について書きました。

酵素が脳関門を通過できる技術は、アルツハイマー病や
統合失調症やうつ病、てんかんなどの中枢神経疾患の
治療薬も脳内に届けることができるというすばらしい技術です。

将来に大いなる希望が持てますね。

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