心不全を防ぐために!突然倒れたらすぐに行う5ステップを覚えておこう
大杉漣さんに続いて、西城秀樹さんも
急性心不全でお亡くなりになりました。
西城秀樹さんは家族団らんの時に突然倒れたとのことでした。
そんな時、ご家族はどうなさったのでしょう。
もちろん救急車は呼んだと思われますが、救命措置はできたのでしょうか。
救急車を頼んでから現場に到着するまでの全国の平均時間は2016年度で
8分30秒(8.5分)だそうです。
この間、何もせずにいると1分間で7~10%死亡リスクが上がると言われ
ていますから8.5分では59.5~85%の死亡リスクになってしまいます。
これでは救急車が来て病院に運ばれても、ほとんど助かりません。
救急車を待つ間の救命措置が命の分かれ目になるのです。
高齢化のせいもあり、最近は心不全になる人が増えているそうです。
家族や友人、または通りすがりの人が急に倒れたらどうしたら良いか、
最新の効果的な方法を調べてみました。
というのは救命措置も時代とともに変化しており、より簡単で効果的な
方法が研究開発されているからです。
この記事の目次
◆突然倒れたらすぐに行う5ステップ
❖1.反応(意識)を確認する
救命する人と周囲の安全を確認してから、倒れている人に近づき、
肩をたたきながら「大丈夫ですか?聞こえますか?」など大きな声
で呼びかけて反応があるか確認します。
脳卒中で倒れた人は動かしてはいけないと言われたのは昔のことで
現在は、安全な場所に静に移動させる方が大事とされています。
倒れた原因が頭か心臓か血管なのかはプロでも判別が難しく、救命措置
の時には分かる必要もありません。原因を考えず行動をおこせばいいと、
京都大学健康科学センターの石見(いわみ)拓教授は明言しています。
❖2.救急車119番通報とAEDの要請
倒れている人に反応がなければ、大きな声で周囲に助けを求めて
「人が倒れています!誰か来て下さい」と言って119番の通報とAEDの
手配を頼みます。
誰も他にいない場合は、自分で119番に通報します。
119番に通報時、呼吸、心停止の判断や胸骨圧迫(心臓マッサージ)の
指導を受けられます。
❖3.呼吸の確認。迷ったら 胸骨圧迫開始
呼吸の確認は、胸や腹部が上下に動いているかで判断します。
しゃくりあげるような呼吸だったり、あえぎ呼吸のような普通とは違う
呼吸の場合は、心停止直後に見られる死戦期呼吸と判断して胸骨圧迫を
開始します。
死戦期呼吸を普通の呼吸と判断して、胸骨圧迫をしなかったために、死亡
してしまった例がありますので、自信がないときは、胸骨圧迫を開始
しましょう。
普通呼吸であっても、胸骨圧迫をして問題はないので、迷ったときは
胸骨圧迫をすること。
普通呼吸になれば、本人が手で振り払うなどの反応をするそうです。
❖4.胸骨圧迫(心臓マッサージ)
倒れた人を仰向きに寝かせて、横にひざをつき、胸骨圧迫を行います。
服を脱がせることはせず、成人の場合は片方の手の付け根を倒れた人
の両乳首の真ん中におき、もう一方の手を重ねて指を交互に組みます。
※乳児は中指と薬指の二本で、6歳までの小児は片手で圧迫します。
肘(ひじ)をまっすぐに伸ばして、組んだ手の付け根に体重をかけて
倒れた人の胸が5~6cm沈むまで圧迫します。
※乳児や小児は胸の約3分の1の深さまで圧迫します。
かなり力を要しますので、圧迫するときは、肘をまっすぐに伸ばすこと、
手の付け根に体重をかけることがコツです。
一回圧迫したら、胸が完全に元に戻るように肘を曲げて力を抜きます。
胸を押すテンポは一分間に100~120回(乳児や小児もテンポは同じ)。
アンパンマンのマーチか、もしもし亀よ亀さんよ のテンポに合わせる
とやりやすいです。
胸骨圧迫は大変疲れる作業なので、2分ぐらいで交代することが望まし
いのですが、交代時に胸骨圧迫を10秒以上中断しないことが大切です。
そのため、以前は30回の胸骨圧迫毎に人工呼吸を2回することになって
いましたが、慣れていないとかえって胸骨圧迫の中断時間が長くなり
逆効果になるので、一般人は人工呼吸はやらなくて良いそうです。
❖5.AEDを使う
AEDが到着したらAEDを使います。準備する間も胸骨圧迫は続けます。
AEDの電源を入れて、音声ガイダンスの指示に従ってAEDを使用します。
電気ショックを開始するので離れて下さいと言うまで胸骨圧迫は
続けます。
そして、電気ショックを行った後も、電気ショックが不要とアナウン
スされた後も、すぐに胸骨圧迫を再会し、意識が戻るまで続けます。
倒れた人の意識がもどった場合は、胸骨圧迫は中止しますが、一度
貼った電極パッドは救急隊が到着するまで決して剥がさないこと。
再度意識を失ってAEDを使用しなければならなくなる可能性があるから
です。
なお、AEDが到着しない場合も救急隊に引き継ぐまで胸骨圧迫は
続けます。
◆まとめ
誰かが突然倒れたら、命をうばう心不全を防ぐために、すぐにする
べき5つのステップを調べました。
1.反応(意識)を確認する
周囲の安全を確認してから、倒れた人の肩をたたきながら大きな声で、
「大丈夫ですか?きこえますか?」などと声をかける。
返事などの反応がなければ、周囲の人に助けを求める。
2.救急車119番通報とAEDの要請
協力者がいれば、救急車とAEDの手配を頼む。
3.呼吸の確認。わからなければ 胸骨圧迫開始
倒れた人の胸やお腹が上下する呼吸をしているかどうか確認する。
死戦期呼吸などはっきりしない場合は、胸骨圧迫開始。
4.胸骨圧迫(心臓マッサージ)
倒れた人の服は脱がせないで、両乳首の真ん中に両手を重ねて指を
交互に組んで置き、圧迫するときは肘をしっかり伸ばして、手の付け根
に体重をかけ、胸が5~6cm下がるまで圧迫。
胸を押すテンポは、アンパンマンのマーチか、もしもし亀よ亀さんよ
のテンポ(1分間に100~120回)で圧迫。
疲れるので、2分ぐらいで交代。
しかし交代は10秒以上胸骨圧迫が中断しないようにする。
5.AEDを使う
AEDが到着したら電源を入れて音声ガイダンスに従ってAEDを使用。
以上が心不全を予防する突然倒れたらすぐに行う5ステップです。
しかし
ある程度訓練した人でも、いざとなると
『自分の間違った措置で症状をより悪くしてしまうのではないか』
と心配になる人もいるでしょう。
でも『おかしいな』と思ったら不安でも行動するべきだ」
と京都大学健康科学センターの石見(いわみ)拓教授は語っておられ
ます。
この5ステップを覚えておいて、行動できる人になりましょう。
参考文献1:救命措置の心得、目の前で人が倒れたらどうする?
土俵問題で注目、専門家「不安でも行動を」
https://www.zakzak.co.jp/lif/news/180409/lif1804090009-n1.html
参考文献2:一次救命処置の手順。心肺蘇生法ガイドライン2015版
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