西城秀樹の死因は急性心不全!心不全との違いや脳梗塞との関係は?
郷ひろみ、野口五郎とともに「新御三家」と呼ばれた歌手の西城秀樹
さんが2018年5月16日、急性心不全のため63歳の若さで亡くなりました。
2003年と2011年に二度の脳梗塞を発症し、右半身麻痺の後遺症が残った
にもかかわらず、熱心にリハビリを重ねて舞台にたち、生涯歌手に
こだわった人生を貫きました。
死因というと普通は「心不全」と書かれるのですが、西城秀樹さんの
場合は「急性心不全」ということです。
急性心不全と心不全はどうちがうのでしょう。
西城秀樹さんの急性心不全は脳梗塞と密接な関係があると筆者は思う
のですが、専門医はどう考えているのか気になったので調べてみました。
【速報】歌手の西城秀樹さん 急性心不全のため63歳で死去https://t.co/xuoXXHJXyP
— 地震・ニュース速報@Yahoo!ニュース (@YahooTopicsEdit) 2018年5月17日
◆急性心不全と心不全の違い
一般社団法人 日本循環器学会と 日本心不全学会 が2017年10月31日に
共同で、心不全の定義を発表しました。それによると
<心不全の定義>
『心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん
悪くなり、生命を縮める病気です。』
とのことです。そして、 急性心不全と慢性心不全との違いは
急性心不全は、それまでは悪くなかった心臓、あるいは悪いと全く
気づいていなかった心臓が急に悪くなった場合を言います。激しい息苦しさで発症することが多く、適切に治療しないと生命を落と
すことがあります。急性期を乗り切ると、その後は慢性心不全となります。
とのこと。
これを読むと、心不全には急性心不全と慢性心不全があるということ
がわかります。
そして急性心不全は心臓が急に悪くなる場合であり、慢性心不全は
徐々に心臓が悪くなるということのようです。
したがって、急性心不全と心不全の違いは、急性だとわかっている
場合は死因を「急性心不全」とし、急性か慢性か不明の場合には
「心不全」とすることがわかりました。
西城秀樹さんの場合、あえて急性心不全と書いてあるのは、急性である
ことがわかっているということなのです。
❖心臓が悪いということはどういうこと?
<心不全の定義>で、「心不全とは、心臓が悪いために、」とあります
が心臓が悪いとはどういうことでしょう。
一般社団法人 日本循環器学会と 日本心不全学会の発表によると
心臓が悪いとは、血液を全身に送り出すポンプ機能を発揮できなく
なることを総称して「心臓が悪いため」と表現しているそうです。
そして、心臓が悪くなる原因は
①血圧が高くなる高血圧
②心臓の筋肉の病気である心筋症
③心臓に酸素や栄養を運ぶ血管が詰まる心筋梗塞
④血流を正常に保つ弁が狭くなったり、閉まらなくなる弁膜症
⑤脈が乱れる不整脈
などがあると書かれています。
これらが原因で急に心臓が悪くなることを急性心不全と言うのです。
心不全 識る・診る・治す (循環器内科専門医バイブル) [ 小室一成 ]
◆西城秀樹の急性心不全と脳梗塞との関係は
西城秀樹は以前に2回脳梗塞を発症していますが、血栓が脳血管で
つまれば脳梗塞、心臓を養う血管でつまれば心筋梗塞になるのです。
心筋梗塞になれば、心臓に酸素や栄養が行かなくなって急に心臓が
悪くなりますから、当然急性心不全になると思われます。
5月18日(2018年)のヤフーニュースによると
医療ジャーナリストで医師の森田豊氏は「63歳という若い年齢からも、
2つの病気があったというよりは、関係があるとみるのが自然だ」と
指摘した。急性心不全の原因としては心筋梗塞、不整脈、弁膜症などがある。
「中でも、脳梗塞を2度起こした西城さんは、やはり血栓ができて
冠動脈に詰まりが生じた心筋梗塞ではないでしょうか」と分析した。
と書かれていて筆者と同じ考えでした。
❖西城秀樹はもともと「二次性多血症」だった
驚いたことに、西城秀樹さんは、何らかの原因で造血因子が増えること
で赤血球が増加して血液が濃くなり詰まりやすい「二次性多血症」と
いう体質だったのだそうです。
※「二次性多血症」の原因ははっきりしないようですが、ヘビースモー
カーの人に多いことがわかっているそうですので、喫煙が何らかの原因
になっているのでしょう。西城秀樹さんは1日に3箱も吸うヘビース
モーカーとして知られていますから。
「そのため、脳梗塞発症後、生活習慣を見直して、タバコをやめ、再発
防止に努めていたとしても、血管の病の進行の方が強かったのでは
ないか」と森田豊医師は語ったといいます。
「二次性多血症」なんて知りませんでした。
西城秀樹さんお気の毒でしたね。
ご冥福をお祈りします。
◆まとめ
西城秀樹さんの死因である急性心不全と普通に言われる心不全に
ついてしらべました。
また西城秀樹さんが2回も発症した脳梗塞と同じ現象が3回目は
心臓の冠動脈に起こって、心臓に酸素と栄養が行かなくなり、
心筋梗塞が起こったと考えられます。
さらに西城秀樹さんはもともと「二次性多血症」だったために、
血液が濃くなりつまりやすかったこともわかりました。
心不全の予防法は、
禁煙、減塩、適度なお酒と運動で、高血圧や糖尿病、肥満にならない
ことです。全くありきたりですが、がんばりましょう。
西城秀樹さんのご冥福をお祈りします。
参考文献:『心不全の定義』について(一般社団法人 日本循環器学会
一般社団法人 日本心不全学会 )
医師の見解 脳梗塞と急性心不全は「関係あるとみるのが自然」
5/18(金) 6:01配信(ヤフーニュース)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180518-00000061-spnannex-ent
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