便秘がすぐに解消する冷めたご飯!その理由は?みんなの家庭の医学
冷めたご飯、つまり【冷やした炭水化物】を
食べるだけでしつこい便秘が劇的に改善する
ことが
たけしの健康エンターテインメント・みんな
の家庭の医学(8月2日)で放送されました。
この放送をきっかけに、冷やした炭水化物
を食べると、どうして便秘が劇的に改善するのか、
冷やし方なども調べて学びました
ので、まとめておきます。
この記事の目次
◆炭水化物を冷やすとできるレジスタントスターチ
便秘に効く物質は、炭水化物を冷やした時にできる
レジスタントスターチという、物質なんだそうです。
❖レジスタントスターチとは
レジスタントスターチ(resistant starch)とは
「レジスタント」=「消化されない」、「スターチ」=「でんぷん」
という意味で、難消化性でんぷんまたは耐性でんぷん
とも呼ばれる食物繊維の1種です。
レジスタントスターチはヒトの小腸までは消化されずに大腸に
届くのでエネルギーになりにくく、食物繊維として排泄される
ので便秘解消に即効性があるのです。
❖レジスタントスターチが消化されない理由
冷やご飯のように一度加熱されてふっくらと水分を含んだ(アルファ化)
状態になった後に、冷めたり保存する過程で一部のでんぷんが再結晶
して消化されにくい構造(ベータ化)に変化するからです。
再結晶する割合は15%程度とされています。
さらにこのレジスタントスターチは
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の特徴を併せ持って
いるため、即効で便秘が解消したり、
腸内細菌に良い影響を与えたり、
血糖値の上昇を緩やかに抑えてくれる効果もある
のです。
❖レジスタントスターチの作り方
一度炊いたご飯を常温でゆっくり冷まします。
冷凍庫などで急速に冷ますと、レジスタントスターチ
はできにくいそうです。
また、レジスタントスターチは
4℃~5℃くらいの温度のときが一番多くなる
そうですから、夏は常温で冷ました後、冷蔵庫
に入れておくのがちょうど良いでしょう。
※注意:一度冷ましたご飯を常温に置いておいても、レジスタント
スターチは変化しませんが、電子レンジなどで温めると
レジスタントスターチがアルファ化して消失してしまうので
ご注意して下さい。
❖レジスタントスターチの大腸での働き
ヒトにはベータでんぷんの消化酵素がないので、レジスタントスターチ
は、小腸では消化されずブドウ糖に分解されません。
したがって、エネルギーにならないのですが、大腸に届いたレジスタン
トスターチは、腸内細菌によって発酵し、弱酸性の有機酸(酢酸、酒石酸
、酪酸など)ができます。
この有機酸は腸内の善玉菌を育て、悪玉菌の増殖を抑制するとされ、
発がん性物質ができにくくなり大腸がんの予防になります。
スポンサードリンク
◆レジスタントスターチの効果
- 便秘の解消、改善
- 血糖値の上昇抑制
- 中性脂肪・コレステロールの抑制
- 腸内の善玉菌を増やす(整腸、発がん予防)
- 空腹感の抑制
- 摂取カロリーの抑制
などがあります。
消化されないデンプンが生じることで
便秘の解消のみならず、様々な効果が期待できます。
でもカロリーは15%しか減らせませんので冷や飯の
食べ過ぎにはご注意下さい。
他の栄養成分は温かいご飯と同じです。
◆レジスタントスターチを含む食品
レジスタントスターチはまだよく研究されていないようで
文部科学省の食品成分表にも出ていません。
ネットの多くのサイトでもデータがまちまちですので大まかに
捉えた結果ですが。
もともとレジスタントスターチを含んでいる食品はデンプン
を含むものです。
従って、大雑把に言うと
穀類、豆類、イモ類、かぼちゃ 等です。
これらのものはもともとレジスタントスターチを含んでいて
冷やして食べるとレジスタントスターチが増加します。
※炭水化物でもデンプンを含んでいないものはだめです。
ところてんは炭水化物ですが、デンプンがないので
冷やしてもレジスタントスターチはできないとのこと。
❖レジスタントスターチを多く含む食品
レジスタントスターチの研究で有名な岐阜大学の早川 享志
(ハヤカワ タカシ)教授によると
レジスタントスターチを多く含む3大食品は、
- あずき
- じゃがいも
- 粘りが少ない米
だそうです。
1.あずき(小豆)
早川教授によると、小豆が含むレジスタントスターチの量は
米の約20倍も含まれていて、トップとのこと。
豆類はみな比較的多く含まれているので、冷やす必要がない
ほどです。
小豆は主にあんことして使われますが、砂糖が多く含まれて
いますので、ササニシキの赤飯にするのが一番良いようです。
赤飯はさめても美味しいですからね。もち米でもたいして
変わらないので、もち米がお好きな方はそれでもOKです。
ケーキを食べるよりはあんこの方がいいですね。
2.じゃがいも
じゃがいもは、冷やした時のレジスタントスターチの増加率が
一番高く、ごはんの2倍にもなるそうです。
じゃがいものポテトサラダ、マッシュポテト、冷やしスープ
などにして食べるといいですね。
3.粘りが少ない米
早川教授によると、米は品種によって、レジスタントスターチの含有量
が違うそうで
モチ米<コシヒカリ<ササニシキ<タイ米
の順番にレジスタントスターチの含有量が多く含まれているとのこと。
そこまで考えて食べなくてもいいような気はしますが。
※トクホの関与成分としても使われている難消化性再結晶
アミロースもレジスタントスターチの一種です。
◆まとめ
ご飯など、デンプンを含む食品は、加熱した後に冷やすことで
レジスタントスターチという消化されない食物繊維ができる
こと。
それによって、便秘が解消されたり、血糖値がさがったり、
ダイエットができたり、発がん予防になったりと、よい効果
があることがわかりました。
夏こそ、冷えたおにぎり、冷麺、ポテトサラダ、マッシュポテト
などを食べて便秘解消、ダイエットに取り組んでみては
いかがでしょう。
かなり簡単で、栄養不足にもならない良い方法だと思います。
最近のコメント