足だけ冷たいのは重大な病気の前兆?原因や症状を知り早期対策を
末梢動脈疾患(PAD)にかかるとクーラーを
かけたとき、足だけ冷たくなったり、痛く
なったり、足が重い、歩くとだるいという
ような症状が出ますが、
夏はそういう人が結構おられるのではないで
しょうか。
単なる冷え性だと思っていると、大変な
ことになるかも知れません。
この病気は以前は「閉塞性動脈硬化症」
(ASO)と呼ばれていて、よく聞いた名前なの
ですが、
最近聞かないと思ったらいつのまにか病名が
「末梢動脈疾患」に変わっていたのでした。
「末梢動脈疾患」PADの原因を知り、症状を
よく観察して、早期対策を心掛けましょう。
放っておくと、心筋梗塞を起こしたり、足を
切断することにもなりかねない重大な病気
なのです。
この記事の目次
◆「末梢動脈疾患」PADとは
末梢動脈とは身体の末梢である手足に血液を
届ける動脈です。
従って、末梢動脈に動脈硬化が生じて、手足
に血行不良が起こり、その結果起こる病気が
PADです。
主に足に症状が出ることが多く、末梢血管の
病気の中で最も多いものです。
日本の推定患者数は50万~100万人。
70歳以上の15%、高齢者の糖尿病患者
では半数以上がこの病気だといわれます。
糖尿病の方は特にご注意下さいね。
❖「末梢動脈疾患」PADの症状
重症度によって4つの段階に分かれます。
1度:足が冷たい、しびれる、足の皮ふが
青白い2度:少し歩くと足が痛み、歩けなくなるが
すばらく休むとまたあるける(間欠性跛行)3度:じっとしていても足が痛む
4度:足の皮ふがただれたり(潰瘍)壊死
したりする
(大塚製薬:PAD:手足の変化に気をつけてより)
◆「末梢動脈疾患」PADの合併症
PADを単なる冷え性だと思って、放っておく
とどういうことになるでしょうか。
❖心筋梗塞や脳梗塞になる
末梢動脈が硬化しているということは、全身
の動脈も硬化している場合が多いのです。
そのため、心筋梗塞や脳梗塞になりやすいと
考えられます。
約7万人が対象となった「REACH研究」
では、末梢動脈疾患の患者の50%が心臓の
冠動脈疾患を持ち、25%が脳血管疾患を持
っていたのです。
また、この病気の患者さんの60%がいくつ
もの血管と臓器の病気を抱えていたためか
末梢動脈疾患の人の死亡率は5年間で30%
と報告されているのも怖いですね。
全体の死亡率は6~8%ぐらいですから。
❖最終的には足の切断
上記の❖PADの症状は、4つの段階に分かれ
ていますが、心臓や脳に問題が起きなくても
足に病変が起きることが多いので注意が
必要です。
2度では、少し歩くと足が痛み、歩けなく
なるがしばらく休むとまた歩ける間欠性
跛行という症状が現れますが、
そのままにしておくと、5年後には数%、
3度のじっとしていても足が痛む症状がある
場合は、1年後に30%の確率で脚を切断する
ことになるという報告があるそうです。
❖腕や腎臓の動脈が詰まる
動脈硬化は全身に及んでいるかも知れない
ので、足や心臓、脳に異変が起きなくても、
この病気にかかっていれば腕や腎臓、上腸
間膜動脈などが詰まる場合もあります。
腕の動脈が詰まると、手のしびれや脱力を
感じます。
上腸間膜動脈が詰まると、食後にお腹が痛く
なり、食欲が落ちて体重が減ります。
腎動脈が詰まれば腎血管性高血圧や腎不全
を起こします。
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◆「末梢動脈疾患」PADへの対策は
「末梢動脈疾患」PADには様々な合併症が
あることがわかりました。
でも普通の中高年齢層の人々は、この病気
をご存知ないのではないでしょうか。
看護師である筆者でさえ、すっかり忘れて
いました。
これからは多くの友人に教えてあげようと
思います。
さて、「末梢動脈疾患」PADの症状に気付
いたり、心配になった方はどうしたらよい
でしょうか。
❖まず検査をしましょう
末梢動脈疾患PADは、血管の病気のため、
血管外科、循環器科で診療されます。
腕と足の血圧の比である足関節上腕血圧や
血管超音波検査、MRI血管撮影検査、造影CT
検査などを受ければ早めに診断できます。
病院に行くのがいやな人は、人間ドックや
健康診断のオプションで検査できます。
治療は、血管内治療や手術により、うその
ように元気になる場合が多いようですから
早めに検査を受けることですね。
(参考文献:クーラーで足だけ冷たい人 その症状は重大病の前触れかも
しれない7/27(木) 9:26配信 日刊ゲンダイDIGITAL)
◆まとめ
末梢動脈疾患PADのことはすっかり忘れて
いましたが、これから高齢者になるにつれ
重大な病気であることがわかりました。
末梢動脈疾患PADは、まず足の動脈硬化から
足に足が冷たい、しびれる、足の皮ふが青白
いなどの症状が現れ、
次第に足が痛くなり、間欠性跛行になったり
じっとしていても足が痛むようになり、足
に潰瘍ができたり、皮膚が死んだりする
病気です。
合併症としては、心筋梗塞や脳梗塞、腕や
腎臓、上腸間膜動脈が詰まり、それが無く
ても、最終的に足を切断しなければならな
くなる場合もあります。
中高年になると非常に多くなる病気ですので
早めに検査を受けましょう。
ご存知ない人には教えてあげましょう。
筆者の記事によって多くの人々が、救われる
ことをお祈りします。
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