認知症予防にビールホップの苦味成分が効く理由!飲む分量は?
ビールの苦み成分であるホップに含まれる
イソα酸に、認知症で一番多いアルツハイマー
病の予防効果があることが、キリン株式会社
によって発表されました。
(平成28年 11月28日)
研究は東京大学及び学習院大学により行われた
もので、世界で初めてその仕組が明らかになった
のだそうです。
早速、どうして苦味成分がアルツハイマー病に
効果があるのか、その仕組、どれぐらいビール
を飲めばいいのかなど、調べてみました。
この記事の目次
◆苦み成分のアルツハイマー病予防効果に関する研究
❖研究の背景
キリン株式会社は、高齢化社会が進み、認知症の高齢者が
世界的に増加する中で、いまだ認知症を根治できる治療法
が見つかっていない現状を憂いていました。
そして、キリン株式会社は、赤ワインを適量飲むことにより
認知症を予防できるとの研究があるのを知り、ビールの成分
についてはあまり研究されていないことに気付きました。
そこで、キリンは東京大学や学習院大学と手を組み、ビール
の成分を研究した結果、ホップ由来の苦味成分にアルツハイ
マー病の予防効果があることを発見したのです。
❖研究の方法
この研究は、人為的にアルツハイマー病にしたモデルマウス
を用いて、ホップの苦味成分であるイソα酸を混ぜたえさを
3か月間与え続けて行われました。
「イソα酸」はもともとホップに含まれている「α酸」が、
醸造過程で加熱されることによって生じるといいます。
検証項目は
・脳内で老廃物を除去する脳内唯一の免疫細胞である
ミクログリアと呼ばれる細胞の活性化
・アミロイドβの抑制
・脳内炎症の抑制
の3点について、
イソα酸を与えたモデルマウス群と、与えないモデルマウス群
を比べました。
❖研究結果
イソα酸を与えたモデルマウス群は、
脳内における炎症反応が緩和されたと共に、ミクログリア
による老廃物質(アミロイドβなど)除去作用が活性化さ
れました。
そして、あわせて神経細胞のシナプス(神経細胞の接合部)
の量も増え認知機能も改善されていました。
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◆ビールの苦味成分が認知症(アルツハイマー病)に効く理由
これらの研究から、苦み成分イソα酸が、アルツハイマー病の
予防に効く理由は、
ミクログリアの活性、アミロイドβの抑制および脳内炎症の抑制
に効果があるからだと言えると思われます。
◆ビールやノンアルコールビールを飲む分量は?
アルコールがあるなしに関わらず、ホップが含まれているので
両方ともアルツハイマー病の予防には効果があるそうです。
ところで、どれぐらいのビールを飲めば効果があるのかが気に
なって調べてみました。
❖イソα酸の摂取によるヒトの脳活動への作用
ホップの研究は2016年3月に内閣府の革新的研究開発推進プロ
グラムに採択され、イソα酸の摂取によるヒトの脳活動への
作用が検証されました。
50代から70代の男女25人にグラス1杯分程度のイソα酸を含む
ノンアルコール飲料を1日1回、4週間にわたって摂取してもらい、
脳活動の変化をfMRIで測定しました。
その結果、脳活動改善の可能性が示唆されたそうです。
キリンビールは、「今後はより長期的な摂取で効果が見られる
か、確認していきたい」としているとのこと。
❖ビールを飲む分量は
今のところ、長期間ではまだわからないようですが、ひと月
ぐらいなら、グラス1杯で効果が見られるようです。
それぐらいなら皆さん飲んでいると思いますから、充分効果
がありそうですね。 飲み過ぎはダメだと思いますよ。
◆まとめ
ビールと聞くと、太るとか痛風になるというような悪いイメージ
がありますが、今回はビールがアルツハイマー病の予防になると
いう良いお知らせでした。
ビールの原料であるホップの苦味成分であるイソα酸に、脳内
免疫細胞であるミクログリアを活性化し、アルツハイマー病の
原因とされるアミロイドβなどの老廃物を除去し、脳内の炎症
を抑制する効果があるために、アルツハイマー病の予防が
できることが分かったのです。
ビールはアルコールがあっても、なくても同様に効果があり
1日、グラス一杯のビールで効果があるそうです。
だからと言って、飲み過ぎはいけないので注意して飲みましょう。
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