アルツハイマー認知症の予防法!自分で回避できる7つのリスクとは
脳血管型認知症は、高血圧、糖尿病、肥満、脂肪異常症などにならないようにすることで、
脳卒中を予防すれば良いことがわかっています。
しかしアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、原因は分かり つつあり、
遺伝性は1%ぐらいしかないとされていますが、早期発見が難しく、治療法も確立されていません。
そして予防法もどうもはっきりしませんでした。
認知症の半分以上はアルツハイマー型認知症になるというデータが
あるのに、その予防法がないとは大変なことです。
ところが、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のデボラ・バーネス
助教授とクリスティーネ・ヤッフェ教授が、
アルツハイマー病の発症要因 の中には、喫煙など修正可能な危険因子が多数あることに注目しました。
そして、2010年に米国立衛生研究所が発表した「アルツハイマー病と
認知症の危険因子に関する包括的なレビュー」を分析、調査した結果。
修正可能な7つの因子の影響を減らすことにより、 相当数のアルツハイマー病の発症を予防できると推論したのです。
つまり自分で避けることができるアルツハイマー病の
7つの危険因子を減らすことが予防法になるわけですね。
この記事の目次
◆アルツハイマー病(AD)になる危険因子
- 低教育水準
- 喫煙
- 低身体活動
- 中年期高血圧
- 糖尿病
- 中年期肥満
- うつ
また、デボラ・バーネス助教授とクリスティーネ・ヤッフェ教授はこれら7つの危険因子についてリスクを軽減させたときに,どの程度のアルツハイマー病(AD)を予防できるか検討しました。
その結果,これら7つの因子が関係するとみられる症例は,世界で最大約50%(1720万人)になることが示され、
また,それらのリスクをすべて10~25%軽減できれば,AD患者を世界で110万~300万人も減らす可能性があることが分かったといいます。
※統計学はどうもよくわからないのですが、データからわかることがあるようですね。
◆低教育水準が最大のリスク
各因子について見ると,世界的には教育水準の低さが関連しているとみられるAD症例は650万人(19%)で最大,
次は喫煙470万人(14%)、
運動不足は,世界では第3位(430万人,13%)でした。
世界では,読み書きのできない人や小学校以上の教育を受けていない人が非常に多く,
教育水準の低さがより重要なリスクになっていたとのことですが、どうしてなのでしょう。
その具体的理由については書かれていないのですが、
アンチエイジングの第一人者として有名な白澤卓二氏によると、
大学卒業以上の高等教育を受けた人は発症危険度が47%、
職業的達成度の高い人は44%、IQの高い人は42%、
知的好奇心を刺激する趣味をもつ人は50%
もAD発症危険度が一般より低かったそうです。
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ということは、教育水準が低いと知的好奇心を刺激することに興味を持たなくなるのではないかと思われます。
年をとっても大学へ行って勉強しようと思うような人は認知症にはなりにくいと想像できますね。
学歴よりも知的好奇心を持つことが最大の予防法ではないかと私には思えてきました。
◆喫煙のリスク
アメリカ・カリフォルニア州にあるカイザーパーマネント研究部の研究によると
中年期の喫煙が20年後の認知症、アルツハイマー病、血管性認知症の発症を2倍高めることが分かったそうです。
1978年から1985年の間に診療を受けた当時50歳から60歳にあたる多民族2万1123人について調査した結果、
平均23年の追跡期間中に5367人(25.4%)が認知症(アルツハイマー病1136人、血管性認知症416人) と診断されました。
年齢、性別、教育、人種、結婚、高血圧、高脂血症、肥満度、糖尿病、心臓疾患、脳血管障害、飲酒について条件が同じ人々について認知症になったグループと、ならなかったグループで比較したところ、
喫煙歴がない人とくらべ、1日2箱以上喫煙していた人は、認知症として2.14倍(アルツハイマー病で2.57倍、血管性認知症で2.72倍)発症の危険性が増すことがわかったのです。
※元気ナースはタバコは血流を悪くするので脳卒中になりやすく血管性認知症の原因だとばかり思っていましたが、アルツハイマー型認知症の原因にもなるのですね。
血管性認知症をひきおこしさらに、酸化ストレスや炎症をひきおこしてアルツハイマー病の発症に関係するらしいです。
喫煙はがんにもなりやすいことを書きましたが、 世界保健機関WHOは、喫煙によって心臓疾患、脳血管障害、がんで毎年500万人が、さらに受動喫煙で43万人が死亡していると報告しています。
喫煙がこれほど恐ろしいことを改て認識しました。
この研究論文は内科学雑誌Archives of Internal Medicineの2010年10月25日の電子版に掲載されています。
(Reuters Oct 25, 2010 Smoking doubles dementia risk in late life: study、HealthDay NewsOct. 25 2010 Heavy Smoking Linked to Alzheimer’s in Study)
◆低身体活動(運動不足)は世界で3位、米国は1位
世界では、低教育水準が最大のリスク、次が喫煙で運動不足は第3位でしたがなんと米国では運動不足が第1位(110万人,21%)の因子だったそうです。
先進国である米国は約3分の1がほとんど座ったままの生活を送っているので、ADの大部分が運動不足に関係している可能性があるとデボラ・バーネス助教授は指摘しています。
運動不足は自分で解決できますから、米国の場合は意外にたやすくADを減らすことができそうです。
デボラ・バーネス助教授らは、低教育水準、喫煙、低身体活動の第3位までのリスクを減らすだけでもADを劇的に減らす効果が期待できると指摘しています。
※そうですね、この3項目で全体の46%のリスクなのですから、まずはこの3項目。知的好奇心を増やす、禁煙をする、運動をすることです。
◆残りのリスク4つについて
中年期高血圧、糖尿病、中年期肥満、うつ、の4つについてはなにも記述がないのですが
中年期高血圧、糖尿病、中年期肥満の3つについては、血管型認知症の原因と同じで いわゆるメタボですから、
すべての病気の原因とも言えます。
減らすべきは当然だからでしょうね。
うつは、知的好奇心を追求することとは正反対の現象ですから、
ADのリスクになるのは 納得です。
おおざっぱで楽天的、超プラス思考の人がADになりにくいことは
分かっているようです。
◆まとめ
アルツハイマー病の予防法は、
知的好奇心を刺激する趣味をもつこと、
禁煙すること、適度な運動をすること。
何事にもくよくよせず、楽天的でプラス思考になること。
メタボリックシンドロームにならないこと。
のようです。
ちょっと努力すればあなたもできそうな気がしませんか。
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