ダークチョコとミルクチョコの効果の違い!視力に良いのはどっち?
最近はチョコレートの健康効果が認められるよ
うになりましたね。
血流がよくなる、認知症の予防や改善、血圧を
下げる効果などがよく知られています。
しかしどの効果も、ミルクチョコレートより
ポリフェノールを多く含むダークチョコレートの
方が効果が高いとなんとなく思っていました。
今回は、視力にも効果があるというチョコレート研究
について、ダークチョコレートとミルクチョコレート
の効果を比較した米国の研究についてのお知らせです。
この記事の目次
◆ダークチョコレートとは
ミルクチョコレートとはカカオマスにミルクを混ぜた
チョコレートですね。
それではダークチョコレートとはなんなのでしょう。
ブラックチョコレートやビターチョコレートというのも
ありますから、そのちがいがわかりません。
筆者の調査によると、はっきりとした定義はなく
明治製菓のダークチョコレートは商品名{チョコレート効果」
のことで、1粒5gの中にポリフェノール127mgを含みます。
1日1粒で血圧が下がると発表したドイツのケルン大学では
1粒6.3gの中にポリフェノール30mgを含むのをダーク
チョコレートと呼んでいます。
ドイツのケルン大学を基準にすれば、日本のブラックチョコレート
も、ビターチョコレートもダークチョコレートも十分条件を
満たしていますからどれでも良いでしょう。
◆ダークチョコとミルクチョコの効果の違いを研究した人と場所は
米国・インカーネット・ワード大学
(University of the Incarnate Word )
のローゼンベルグ検眼学学校(Rosenberg School of Optometry)
のJeff C. Rabin氏らです。
テキサス州のサンアントニオにある学校です。
研究もこの学校で行われました。
◆調査研究の目的と方法は
❖調査研究の目的は
ケアネットニュースによると
視力ならびに大きい文字と小さい文字のコントラスト感度に対
する短期効果をダークチョコレートとミルクチョコレートの摂取
で比較する目的
とあります。わかりやすく解釈すると
「ダークチョコレートとミルクチョコレートを食べてから約2時間
後に視力と、大小の文字の差を感じる度合いを検査して、どちら
の方がより効果があるか比べる目的」
というようなことです。
❖調査研究の方法は
目の病気がない30人(男性9人、女性21人、年齢26±5歳)
に、ダークチョコとミルクチョコを別個に食べてもらい、1.75時間
(約2時間)後に視力と大小の文字のコントラスト感度をそれぞれ
測定して比較しました。
ケアネットニュースによると
2017年6月25日~8月15日に、Rosenberg School of Optometry
にて無作為化クロスオーバー単盲検試験を行った。
とあります。わかりやすく解釈すると
2017年6月25日~8月15日に、ローゼンベルグ検眼学学校におい
て調査研究を行った。
その方法は、ダークチョコを食べる群とミルクチョコを食べる群
の人々をでたらめに選んで2群に分けた。(無作為化試験)
初めにダークチョコを食べた人々は、2時間後の検査終了後、一定
の休養時間後に今度はミルクチョコを食べ、また2時間後に検査を
した。
初めにミルクチョコを食べた人々も同様に、2時間後の検査終了後、
一定の休養時間後に今度はダークチョコを食べ、また2時間後に
検査をした。(クロスオーバー試験)
クロスオーバー試験とは、試験する人数が少なくてすむので行
われる試験法です。
単盲検試験とは、医師は治験薬の中身を知っているが被験者は
治験薬の中身を知らない試験のことです。
医師も知らない場合は二重盲検試験と言います。
この実験ではチョコレートだということは食べればわかりますね。
◆調査研究の結果(平均値)
・小さい文字のコントラスト感度
ダークチョコ摂取後1.45、ミルクチョコ摂取後1.30。
ダークチョコ摂取後のほうが有意に高かった(平均差:0.15)。
・大きい文字のコントラスト感度
ダークチョコ摂取後2.05、ミルクチョコ摂取後2.00で、
ダークチョコ摂取後のほうがわずかに高かった(平均差:0.05)。
・視力
ダークチョコ摂取後0.22、ミルクチョコレート摂取後0.18 改善。
ダークチョコ摂取後の方がわずかに多く改善した(平均差:0.04)。
・すべての検査結果を合わせた複合スコアは、ダークチョコレート
摂取後のほうが、ミルクチョコレート摂取後より有意な改善を示
した(平均差:0.20)。
有意とは、確率論・統計学の用語で、「確率的に偶然とは考えに
くく、意味があると考えられる」ことを指す。
(ウィキペディアより)
※標準偏差や標準誤差など、難しい統計値はカットしました。
◆まとめ
思った通り、ダークチョコレートの方がミルクチョコレートより
すべての検査結果が良かったですね。
この調査研究では食べるチョコレートの分量が記載されていません
が、ケルン大学の血圧が下がる研究で、1日一粒(6.3g)の
ダークチョコレート(ポリフェノール30mg以上)で血圧が有意
に下がることから、目の機能もそれぐらいで効果があるのでは
ないかと思われます。
この研究論文の著者は「これらの効果の持続期間や日常臨床での
影響については、さらなる検討が待たれる」とまとめています
から、チョコレートを食べる分量なども後の研究を待つことに
なりますね。
❖参考文献
●ケアネットニュース:
ミルクチョコレート vs.ダークチョコレート、視力に良いのは?
http://www.carenet.com/news/general/carenet/46049?utm_source=m29&utm_medium=email&utm_campaign=2018053102
●原著論文はこちら
JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年4月26日号掲載の報告。
Rabin JC, et al. JAMA Ophthalmol. 2018 Apr 26. [Epub ahead of print]
https://pmc.carenet.com/?pmid=29710322
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