グルテンフリーは健康人に意味なし?逆に糖尿病になる?その理由とは




近頃、グルテンフリー食という言葉をよく聞いたり目にしたりすることが
多くなりました。

筆者はグルテンフリー食は、小麦アレルギーで生じるセリアック病
などの人だけが、食べるものだと思、グルテンフリー食など気に
せず食べていました。

しかし、グルテンフリー食の健康法などが世界的に流行して、なんだか
グルテンフリー食を食べなきゃ不健康になるような気にさせられそうに
なっていました。

でも麩菓子(ふがし)が大好きな筆者は、それでは困るのです。
グルテンというのは、小麦などの麦類に含まれるタンパク質の一種です。

麸(ふ)はそれこそグルテンそのものからできているのですから。

大好きな麩菓子を食べない方が良いのかと、不安になっていた折、
糖尿病の権威である山田悟医師の、

最新論文で考える日常臨床Doctor’s Eye で書かれた
流行するグルテンフリー食の失墜 糖尿病リスクが増大

という記事を読んで、グルテンフリー食は健康人には関係ない、
それどころか、グルテンフリー食で2型糖尿病のリスクが増大
する可能性があることが分かりました。

山田悟医師の記事は専門用語が多くて分かりにくいので、
一般の人にもわかりやすいようにお知らせしようと思います。

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◆ハーバード大学が実施している3つの集団の解析方法

山田悟医師の記事によるとハーバード大学では下記の3つの集団
についてグルテン摂取と健康成果との関係を研究しています。

❖3つの集団とは

1.Nurses’ Health Study(NHS)

1976年に開始され、30~55歳の女性看護師12万1,700人を登録
した集団研究

2.Nurses’ Health Study Ⅱ(NHSⅡ)

1989年に創設され、25~42歳の女性看護師11万6,671人を登録
した集団研究

3.Health Professionals Follow-Up Study(HPFS)

1986年に開始され、40~75歳の男性医療従事者5万1,529人を
登録した集団研究

流行するグルテンフリー食の失墜糖尿病リスクが増大
より抜粋引用

※それにしても、すごい人数の研究ですね。できるだけ正確な
データを得ようということなのだと思われます。

しかし、これら全員を研究の対象にしたわけではありません
でした。

❖今回の研究で対象になった人とは

登録当初の食事記録がそろっていた人のうち、

糖尿病、心臓病、がんの既往がある人、食事記録上のエネルギー
摂取量が極端に多かったり少なかったりする人などを除外して、

1.NHSでは7万1,602人、2.NHSⅡでは8万8,604人、3.HPFSでは
4万1,908人が解析の対象とされました。

ずいぶん減りましたね。当然ですが。

❖研究年数や研究項目

いずれの集団研究でも登録当初の他に、4年ごとに食事記録を提出し、
グルテン摂取の蓄積量を求めるとともに、4年ごとに2型糖尿病、
心臓病、がんの発症状況を確認しました。

また、身長、体重、人種、糖尿病の家族歴、喫煙状況、アルコール
摂取量、身体活動量、月経状況、女性ホルモン剤内服、
経口避妊薬内服、ビタミン剤内服についても調査し、
解析においてはそれらの因子で調整しました。

※1976年に研究を開始したのですから、もう40年近くも、研究して
いることになります。すごいことですね。

これほどの長い間、多項目について研究調査しているのですから、
この研究結果は信用できる結果にちがいありません。

◆グルテン摂取と健康成果との関係

ハーバード大学の3つの集団で実施したいずれの集団においても、
またそれらをプールし解析しても、さらに、さまざまな因子で調整
しても、

グルテン摂取量がある程度多いほど
2型糖尿病の発症リスクが低いことが分かりました。

また、グルテン摂取量が6g/日を超えたところでは糖尿病の発症率
に大きな差異はなく、6g/日より減ったところから上昇している
ことも分かりました。

すなわち、グルテン摂取量を増やせば増やすほど糖尿病発症が予防
できるというわけではなく、普通にグルテンを摂取していれば
(一日6g以上)それ以上増やさなくてもよいが、グルテン摂取量
を少なくすると糖尿病発症リスクが上昇するという関係性なのです。

図.グルテン摂取量と2型糖尿病発症ハザード比の関係性グルテン摂取量と糖尿病のハザード比
(Diabetologia 2018年8月3日オンライン版)

上記のグラフから、グルテンを一日2g以下しか食べない人は
ほぼ全員二型糖尿病になり、一日6g以上食べる人は、危険率が
40%前後減ることがわかります。

これで、グルテンアレルギーの無い人はグルテンを食べた方が
良いことが分かりました。とてもうれしいことです。

◆グルテンで2型糖尿病の発祥リスクが減る理由

アレルギーのない人はグルテン食を食べた方が良いことはうれしい
のですが、どうしてなのだろうと不思議に思われます。

❖腸内細菌が原因

山田悟医師によると今回の論文の著者たちは、

まずグルテンフリー食で腸内細菌の善玉菌が減って、悪玉菌が増え
ることから、腸内細菌が関与しているのではないかと提示している
そうです。

実際、グルテン摂取が小腸における糖質の吸収を抑制することが
報告されているので、小腸で吸収されなかった糖質が大腸に行き
腸内善玉菌のえさになって、腸内細菌叢の構成が変化するのかも
知れないと、山田悟医師。

ちなみに悪玉菌は肉類のタンパク質やアミノ酸を餌に生育し、
有毒物質を放出します。

※私見ですが、グルテン摂取が小腸で、糖質の吸収を抑制する
だけでも、2型糖尿病のリスクを下げる要因になっていますね。

山田悟医師は、ゆるやかな糖質制限ダイエットの提唱者として
有名です。ゆるやかな糖質制限ダイエットは無理をしないので
簡単です。

❖グルテンを除去するとグリセミック指数(GI)があがる

次に、著者たちが可能性として挙げたのは、グルテンの除去が
グリセミック指数・GI(Glycemic Index)を上げてしまう可能性
があるということです。

GIとは食品ごとの血糖値の上昇度合いを表す数値で、糖尿病を
気にする人は、GIの低い食品を選ぶことで知られています。

澱粉-蛋白質相互作用というものが知られており、グルテンの摂取
は糖質の消化吸収を緩慢にします。

※ははん、これが小腸での糖質の吸収を抑制するということなん
ですね。

したがって、グルテン摂取制限はこの相互作用を低下させ、
血糖上昇を急激にしてしまうのかもしれないと、山田悟医師は
考えています。

❖グルテンを除去するとTGやLDL-Cも上がる

TG (Triglyceride)とはトリグリセライド、中性脂肪のこと。
LDL-Cは、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)のことです。

なんと、グルテンフリーにすると、中性脂肪や悪玉コレステロール
値も上昇していまうのだそうです。

※グルテンフリーにすると糖分の吸収が多くなるのですから
当然かもしれないですね。

したがって、グルテンは、2型糖尿病のリスクを抑えるだけでなく
中性脂肪やLDLコレステロールも下げることから、今回の論文の
著者たちは、

高グルテン摂取が心血管疾患に悪影響を及ぼす可能性は低いと述
べているのです。

その結果、山田悟医師は、

これらのことを総合して考えれば、グルテンフリー食は2型糖尿病
の発症リスクを上昇させかねず、さらにはLDL-Cの上昇を介して
心血管疾患のリスク上昇にも関わる可能性がある。

こうしたことを考えると、セリアック病や小麦アレルギーのない
一般の人がグルテンフリー食を実行することは避けるべきであろう、
という結論になる。

と書かれています。

参考文献:流行するグルテンフリー食の失墜糖尿病リスクが増大

◆まとめ

筆者はたまたま、グルテンが原料である麩菓子(ふがし)が大好き
なことから、近頃流行のグルテンフリー食に疑問を持ち、
グルテンフリー食のデメリットを探していて、山田悟医師の記事に
出会ったのでした。

しかし、よくその記事を読んでみると、グルテンフリー食は
アレルギーの人以外は、デメリットが多いことを知り、良かったと
思いました。

山田悟医師の意見に大賛成です。

そもそもグルテンフリー食は、有名テニスプレーヤーのジョコビッチ
選手がこの食事法でパフォーマンスが向上したということから
流行したようですが、すぐに流行に乗ってはいけないですね。

よく調べてみて納得してから取り入れるべきです。

グルテンのメリットも、食べ過ぎについての研究はまだありません
から、注意です。

うつ病の人もあまり食べない方が良いとの研究があります。

なにごとも過剰はいけないですね。

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