蜂蜜が赤ちゃんにはダメで大人には良い理由!乳児性ボツリヌス症とは
今年(2017年)2月下旬に、生後5カ月の男の
赤ちゃんがはちみつによる乳児性ボツリヌス症
で、亡くなったというニュースがありました。
最近は妊産婦の教育で、1歳未満の乳児には
はちみつを与えてはいけないことが徹底され
ていると思っていましたが、
クックパッドに蜂蜜入り離乳食がたくさん紹介
されていると知ってびっくりしました。
もっと多くの人々に知ってもらいたいと思い
記事にすることにしました。
この記事の目次
◆蜂蜜が大人には良いが赤ちゃんにはダメな理由
食中毒で知られているボツリヌス菌は、嫌気性菌で、芽胞という
ボツリヌス菌の種とも言えるような形で、土の中や海底、湖沼に
広く存在しています。
従って自然食品である蜂蜜に芽胞が混入することはよくあること
と考えられます。
しかし、芽胞そのものには毒性がなくそれだけでは食中毒には
なりません。
❖ボツリヌス菌の増殖条件
ボツリヌス菌は嫌気性菌で、空気があると増殖できません。
また酸に弱くPH5.5以下の酸性の中でも増殖しません。
❖蜂蜜が大人には良い理由
蜂蜜に芽胞が含まれていても、胃散が強酸性(PH1~5)
なので芽胞は発芽増殖することができず、毒素を産生せず
腸で消化されてしまいますから、大人は蜂蜜の栄養や効果
を得ることができるのです。
大人がボツリヌス菌の食中毒にかかるのは、ボツリヌス菌が
産生した毒素に汚染された食品を食べた時なのです。
ボツリヌス菌の芽胞を食べても食中毒にはなりませんから
大人は蜂蜜を食べても大丈夫なのです。
❖蜂蜜が赤ちゃん(1歳未満の乳児)にダメな理由
1歳未満では、消化器官がまだ未発達で完成していないので
胃酸も腸内細菌も不十分なため、空気のない、酸性が弱い環境で
芽胞が発芽、増殖して毒素を産生し、その毒素によって食中毒
が起ってしまうのです。
ですから、赤ちゃんにはちみつを与えて刃いけないのです。
1歳未満の赤ちゃんと言われていますが、2歳でも発症した例が
どこかの国であったというのを読んだ記憶があります。
めったにないことですが、心配なら2歳まで待ったら良いでしょう。
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◆乳児性ボツリヌス症とは
前述の通り、乳児ボツリヌス症は、食品中に含まれるボツリヌス
菌の毒素による一般的な食中毒ではなく、
ボツリヌス菌の芽胞を生後1 年未満の乳児が摂取した場合に、
芽胞が腸の中で発芽・ 増殖して毒素を産生し、その毒素に
よって食中毒になるという、乳児独特の経過をたどるボツリヌス
菌の食中毒をいいます。
従って、症状は一般のボツリヌス菌の食中毒とほぼ同じですが
乳児の場合ですから
❖乳児性ボツリヌス症の症状
米国の研究者の報告では、
1.頑固な便秘を起こし便秘が3日以上続く。
2.母乳、人工乳に関係なく吸引力が低下する。
3.泣き声も弱くなり、顔面無表情になる。
4.筋肉の弛緩をきたし、次第に筋力低下が目立つようになる。
5.重症では、呼吸困難、呼吸停止が起こる。
6.通常、嘔吐、下痢は見られない。
このような症状が見られたら、できるだけ早く受診しましょう。
❖治療法
治療は対症療法ですが、日本では死亡例は今回が初めてて、
大抵は後遺症もなく、完治すると言われています。
◆まとめ
蜂蜜が1歳未満の赤ちゃんにはダメで、1歳以上の子供や
大人には良い理由、
乳児性ボツリヌス症について書きました。
追記として
❖ボツリヌス菌と芽胞は熱に強いが毒素は熱に弱い
ボツリヌス菌を不活化するには100℃で6時間、芽胞で120℃
で4分間の加熱が必要ですが、ボツリヌス毒素自体は100℃で1-2分
の加熱で失活されます。
しかし、蜂蜜は加熱すると栄養がなくなってしまいますからできない
のでしょう。
❖蜂蜜の他には赤ちゃんに危険な食物
ボツリヌス菌の芽胞は蜂蜜だけでなく、コーンシロップ
や黒糖にも含まれているといいますから気を付けましょう。
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